あおいろ

双子の兄1 ページ6

光side

ガヤガヤとうるさい昼休み、弁当を食わないで慧が来るのを待っていると、



「あ、慧じゃん！おはよー」



慧「おー！はよーもう昼だけど」



「慧！今からー？社長かよー」



慧「ん、まぁねー」



来た来た。俺の双子の兄貴。



クラスに入るなりみんなに声をかけられてる。



あ、俺と慧は同じクラス。



双子は普通離されるけど、慧のことがあって特例ってことでね。



光「慧ー」



慧「あ、光〜」



俺に気がついた慧は荷物を降ろし、ふぅーっと椅子に座った。



光「大丈夫か？」



なんとなくいつもより顔色が悪い。



慧「余裕ー。ちっと階段疲れたの」



まったく、それは余裕って言わねぇんだよ。



腑に落ちない俺を気にせず弁当を開ける慧。



慧「んー！今日も白米〜」



まぁ、食欲あるならいいか。



光「5限は日本史だけど、6限どーする？」



6限は体育。慧はできない。



見学して、レポートを書くことで赤表を逃れている。



慧「んー、今日はここで自習する」



やっぱ体調悪いんじゃないの？



そう聞きたかったけど、やめた。



絶対拗ねるし。



慧「やっぱ光の弁当うめぇなぁ」



光「ゆっくり食えよ？」



慧「ほぉい」





2人で並んで同じ弁当を食べていると。




大貴「慧ー！！」



1つしたの弟。大貴。通称大ちゃん。



大貴「おはよ！来ちゃった！」



大ちゃんは慧にすごいなついてる。



こうやって病院の日には、昼休みに様子をみにくる。



慧「もう飯たべたの？」



ふわふわ笑っちゃって、慧も満更でもないみたい。



大貴「くったよ！」



目の前の光景はまるで犬と飼い主だな。



しばらく大ちゃんと慧を眺めつつ、弁当を完食。



光「大ちゃん、予鈴そろそろだよ？」



大貴「うわ！本当だ！じゃあね！」



大ちゃんをかえしてから、慧をチラッとみる。



光「慧…」



慧「あーもー！わかってますよ！飲みますよ」



俺の言いたいことがわかったのか、唇突き出して、ぶすっとする。



いやいや、女子かよ。




光「ん、これ最後」




慧「んー」




苦げぇ、まじぃと文句を言いながらも、薬も全部飲んだ。



いつも俺が変われたらって思う。



口には出さないけどね。



薬の量を見るたびにどうして双子なのに、こんなにも違うのだろうと、もどかしくなる。

双子の兄2→←俺の病気2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す