あおいろ

不調3 ページ21

光side



光「もうちょっと食べれない？」


小さいお椀に控えめによそったお粥。


その半分も食べずに慧はスプーンを置いた。



”病気持ちだから食が細いなんて、とんだ偏見だよね！まったく！”



その言葉の通り、どちらかといえば慧は食べる方。



だから慧が食べなくなると本当心配になる。



俺の問いかけにフルフル首を振り、ごめんねと呟く。


謝らせたいわけじゃないのにな…



光「ごめんごめん、俺が悪かったよ。食べてくれてありがとうね？薬、飲める？」



慧「……………」



薬を目の前にして動かない慧。


もともと嫌いってのもあるけど、いつもはなんだかんだ言って飲んでいる。


………でも、体調が悪いと別。



3年前だったかな…


今みたいに熱があって、飲みたくないとごねた慧に、わがままを言うなと半ば無理やり俺と宏太で薬を飲ませたんだ。



そしたら、慧はすぐに戻してしまって…



可哀想なことをしちゃったよな…



それからは、慧が自分から飲むのを待つことにしてる。



本人だって飲まなかったらどうなるかなんて頭でわかってるしね…



光「…あと1つね」


慧「……ん」


時間はかかったけど、ゆっくり1つずつ飲みきってくれた。

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