あおいろ

不器用な兄 ページ11

光side



浅い呼吸をする慧の背中をさすりながら落ち着くのを待つ。



最近はこんなことが増えた。



あまり自分のことを話さない慧だけど、一緒にいるだけでわかってしまう病状。



そして、それがよくないってこと。



光「帰ろっか」


大ちゃんはバスケ部。練習があるから、帰りは別々だ。



慧「ゆっくり帰ろ？」



光「ん…そーしよ」



きついならきついって言えばいいのに。



まぁ、不器用ながらに頼ってくれるのは嬉しいんだけど…



もっとこう…甘えて欲しいし、辛いなら泣けばいいのに…



たとえ慧がここで暴れ出しても、俺は受け止める自信があるのに。



慧「光？どーかした？」



光「ん、いや、なんでもない。それ、貸して」



半ば強引に慧の鞄を奪い取る。



いつもなら持てるからかって奪い返すんだけど、さっきのこともあってか、素直に応じる。



慧「ありがとー」



光「なにがー？」



慧「ふふ、なんでもないー」



その日はゆっくり2人で家路についた。

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