#39 イケメンモテモテオーラ ページ39
まぁ、もちろん。
それはそれほどのコミュニケーショ能力が、今後私に搭載されればの話だけど。
「ねえ、海人お茶！女の子がお客さんだから！お茶出すよっ」
「お茶ぁ？」
キッチンにダダダ、と走って行ったハスキーボイスくんに呼ばれて、甘党の彼も付いていく。
「なんかね、女の子がお客さんの時はちゃんとお茶出すんだよってばあちゃんが言ってた」
「あっ、それは正しいやつだ」
キッチンから聞こえてくる、変な会話。
…申し訳ないけど私、その“おばあちゃん”が言っていたような女の子ではないと思う。
だから“お気遣いなく”と言おうとしたけれど、それを遮ったのは永瀬くんだ。
「なぁ、どこ座る？ここ？」
「あ…はい。じゃあここ、で」
「話せとるやん、ちゃんと」
「そう…ですかね。あ、それ」
永瀬くんが荷物と一緒に置いた紙袋を引っ張って、中から箱を取り出す。
…お母さん、ありがとう。
色々あったけど何やかんや、このお菓子が残す功績って大きいかもしれない。
「お待たせ」
不意にことん、と置かれたグラス。4人みんな不揃いで、なんか可愛い。
「あ…ありがとうございます」
「はぁい、ただの麦茶ですけれども〜。あ、ごゆっくり〜」
ダボっとしたトレーナー。くしゃっと笑った顔。相変わらずのハスキーボイス。
食堂の優しいおばちゃんみたいなペコペコ具合と口調だけれど、その…所謂“イケメンモテモテオーラ”的なものは全然隠せてない。
「わ！それ、持ってきてくれたお菓子？」
彼が身を起こして、何かの香りがふわ、と香る。
永瀬くんとはまた違う、いい匂い。
「あ…はい。どうぞご自由に、食べてください」
もちろんその正体は…まだ開けていないお菓子でもなく、目の前の麦茶でもない。
…何。今時の男の子って、みんないい匂いがするものなの？
「ねえ、あれしようよ。自己紹介！」
黄色いグラスを持った彼が言う。
…自己紹介。その響きが、私は苦手。
学校で無理やりさせられて、終いには恥をかくっていうイメージしかないから、どうしたって体が強張る。
「じゃあ廉からね」
「え、おれ？おれの名前もう知っとるよ」
「いーの、こう言うのは形が大事なの」
けどその儀式は、私の了承を得ずに勝手にスタートした。
それも、助け舟を出すと豪語したはずの彼によって。
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もちこ(プロフ) - yimmさん» はじめまして！コメントありがとうございます。お楽しみ頂いているようで何よりです…！ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月25日 17時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - もちこさん、はじめまして☆お話楽しく読ませていただいてます。この後の展開を妄想するとなんかだかドキドキ(笑)更新頑張ってください。 (2020年10月25日 7時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます。主人公可愛く書けててよかったです…！これからも是非色んな想像をしながらお楽しみいただけると嬉しいです、よろしくお願いします！！ (2020年10月23日 17時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 欲しいスタンプ俺が買ったるって何語ですか…？永瀬さんの妹になって買って貰いたい！それからなんですか！主人公ちゃんの可愛さ！！永瀬の妹って立場利用して主人公ちゃんと付き合いたい！ (2020年10月22日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです。ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月20日 22時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちこ | 作成日時：2020年10月13日 19時
