第三百四話 ページ7
-side 零-
「全く、急に何処かに行くな」
「…はい、すみません。ごめんなさい」
僕の眼の前でAさんを抱えながら説教をしてくる鬼太郎さん。
今回のことは完全に変なことをした僕が悪いわけで、ただ申し訳ない。
そのせいでAさんが僕を追いかけてしまったから。
「外傷も特にないようだったからよかったけど、
そういうことされると困るんだよ」
「わかりました…」
からんころんと鳴る下駄の音。
ぺたぺたとした足の音。
ねずみ男さんと鬼太郎さんのものだとわかるのは容易だ。
僕の靴の音は一切音が鳴らないから、時々怖くなる。
まるで自分がいないみたいで怖く、恐ろしくなってしまう。
僕は一体何なんだろう。
「…A」
何処か愛おしさを含んだ声は彼の背で目を瞑る少女に向けられて発せられた。
赤い髪を揺らし、随分と整った容姿。
正確には少し癖があるが対して悪くはなく、ひどく優しい。
そんな人に、彼が惹かれるのも多分無理はない。
今はまだ子供の部類だけれど、大人びているし、
これからの成長で、もしかしたらもっと女性らしくなるかもしれない。
そう考えるとおそらく惹かれる男性は増えるだろう。
それを彼がどう思い、どう対処するのかは任せることにしよう。
僕では二人の間に入ることも無理だろうから。
「でも鬼太郎さん…よかったんですか？」
「…何がだ」
「いえ、いくら意識がなく呼吸困難だったとはいえ、
番いでもない娘に口付けするというのは…」
僕が言葉を紡げば鬼太郎さんは大きく体を跳ねさせた。
ねずみ男さんは大笑いしてる。僕何か変なこと言ったかな？
「っ…気にするな」
「え、でも隠すのは…」
「いいから！」
大きく叫んだ鬼太郎さんの顔は真っ赤で、相当気にしていたのがわかる。
また、悪いこと言っちゃったなぁなんて思った。
鬼太郎さんの大声でAさんが飛び起き、みんなでパニックになったのは、また別の話。
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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ！(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ！コメントありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (
レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ！凄い！全部の題名と繋がった！何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った！あそこ読むとき鳥肌やばかったです！鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます！不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います！ (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました！忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください！これからも応援しますっ！(・ω・)ﾉｼ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年3月24日 15時
