第三百二十四話 ページ27
「A〜」
『おはよう輪廻』
陽は出ているがまだ肌寒い空気を流す朝。
いつも通り学校に行く登校路で輪廻がこちらに向けて走ってきていた。
「お前今朝のニュース見た？」
輪廻にしては随分と不機嫌に歪んだ顔。
こんな顔を見るのはある意味初めてかも知れないなと思いつつ、その問いに頷いた。
今朝のニュースとは、姑獲鳥がまた赤子をさらい、今度は赤子が重体で見つかったという話だ。
「姑獲鳥は確かに赤子を殺そうとするって話もある。
だけど、俺はあいつがそんなことするようなやつだなんて思わない」
『どうだろうな。もしかしたら腹癒せかもしれないぞ』
「俺はあいつとあの事件からずっとあってるもん
そんなこと、あいつはする素振りなんてなかった」
『…まぁお前がそういうなら信じる』
「ありがと」
唇を尖らせる輪廻の横顔を見て、なんとなくこれは姑獲鳥関連ではないんだなと察した。
いつも能天気で基本的どうでもいいこいつがここまでの表情を出すのだから、
きっと今回のことは本当に姑獲鳥と関係はないんだろう。
だとするなら今回のことは。
「冤罪だ。あのまるでおしどり夫婦みたいな姿してたあいつらが赤子を殺したんだ」
『確証はないな。でも今の社会だ。十分あり得る』
「…俺は絶対許さないからな」
『あんまり恨みやらに飲まれたりすんなよ』
「わかってるよ。でも妖怪は人間より綺麗だ。
それを利用して傷付ける人間はクズで、欲の塊でしかない」
両手を前に、胸のあたりで止めて強く握りしめる輪廻の顔は悔しそうに歪んでいた。
輪廻は多分普通の人より大人びている。
誰よりも早く夢を見ることを諦め、大人と変わらない考えにいたらなければならなかったんだろう。
…多分、守ってくれる両親がいなかったから。
『人間は今までずっと食物連鎖の頂点にいたんだぞ？
調子に乗るに決まってるだろ。まるで自分が神みたいにな』
「…本当に神様がいたら、ぶん殴ってやる」
『いるにはいるが手を出すのはやめとけ』
「うん」
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とりまろ。(プロフ) - あんこもちさん» 鳥肌になってくれて嬉しいですわッッ！(((新章も始まりまして更新バリバリ頑張りますよ！コメントありがとうございます！ (2019年4月30日 13時) (
レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち - わぁぁ！凄い！全部の題名と繋がった！何か意味があるんだろうなぁ〜と思ってたけどほんとに合った！あそこ読むとき鳥肌やばかったです！鬼太郎と夢主ちゃんの恋の進展も気になる、、、。更新頑張ってください！長文失礼しました。 (2019年4月30日 8時) (レス) id: 209354e5c5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 待っていてくれてありがとうございます！不定期更新ですが完結まで頑張ろうと思います！ (2019年4月20日 20時) (レス) id: ba9bcb022c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - 待ってました！忙しくて更新できない時が多いかもしれませんが少しずつ更新頑張ってください！これからも応援しますっ！(・ω・)ﾉｼ (2019年4月20日 20時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2019年3月24日 15時
