第四十三話 ページ44
次の瞬間 ヤナギは自分の首めがけて刀を振るう
が もう片方の手でそれを止めた
『でもこの子 抵抗する力が強いわ
今みたいに 勝手に体動かすの
私を切ったって 自分の体が傷付くだけなのに
俺の体を切ってついでにお前も祓うって私の中で訴えてくるの
流石に霊刀で切られたら私も消えちゃうけど
首なんて飛ばしたらこの子も死ぬのにね』
ヤナギは霊刀を振り
それを僕に向けた
『霊刀に射抜かれたら
流石のあなたでも死ぬでしょう？』
Aはかなり腕の良い祓い屋
そのAが持つ霊刀は
確かに僕でさえも死んでしまうだろう
「だからと言って
Aを見殺しになんかできない！」
『あらあらぁ 素晴らしい友情ねぇ
じゃ 死んでちょうだい！』
ヤナギは刀を振り上げ
そのまま 僕に向けて振り下ろそうとした
すると 刀についていた飾りが
赤く光って
僕とヤナギを包み込んだ
目を開けると
鮮やかな青の月見草が咲き乱れる場所にいた
空気は澄んでいて
空はどこまでも広く 暖かかった
真っ白な蝶が空を飛んでいる
「鬼太郎様」
後ろから 声をかけられ
振り向けば Aに祓われたはずの赤銅がいた
素早く後ろに下がり 攻撃の構えをとった
「あぁ 落ち着いてください
私は危害を加える気はありません」
「…じゃあ何故ここにいる
僕をどこに連れてきた？」
「ここはA様の心の中でございます
この風景は A様の心の綺麗さと
心に最も残るもので形成されています
私がここに貴方を呼べたのは
A様が私の遺品を持っていたから」
「…君の遺品？」
「刀につけた
赤い菊の飾りがあったでしょう？」
それを聞いて 思い出した
確かに刀についた装飾が光ってここにきた
一つ 蝶が僕の指先に止まる
そうすると聞き覚えのある声が聞こえてきた
「まなだよ！まな！」
「手紙をくれたのはお嬢さんかね？」
そうして蝶は僕の指から離れ
空高く飛んでいく
「今のはA様の記憶にございます
ここに無数に飛ぶ蝶は全てあの方の記憶です
ここは とても澄んでいて綺麗で
…だからこそ ここを歪めるのもは許せないのです」
赤銅の指差す先は
花が真っ黒に枯れていた
おそらくヤナギと思える人もいる
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白桜姫 - 夢主の髪の色がめちゃいい (2020年1月23日 22時) (
レス) id: fb346ce4d5 (このIDを非表示/違反報告)
とりまろ。(プロフ) - 碌無者さん» うーん、作ったのがかなり前なのであまり覚えてはいませんが確か、この子は死んでいるから呪っても意味はないという意味を込めてだったかと思います。作者が曖昧ですいません… (2019年8月31日 12時) (レス) id: b5b6caadd7 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - 初めまして。何故正装が死装束なのですか？ 和服の合せは男女共通で、正面から見てカタカナの「ソ」になるのが正しい着方です。逆になると死んだ人に着せるものになりますので、不吉ですよ。作中で説明が成されていたら申し訳ありません。気になりましたもので。 (2019年8月30日 16時) (レス) id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
もずく。(プロフ) - レモンさん» 閲覧ありがとうございます 誤字などは私の小説では多いので指摘してくださりありがとうございました！ (2018年10月4日 15時) (レス) id: 5241d6a6f8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました！！面白かったです！ (2018年10月3日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もずく。 | 作成日時：2018年4月5日 20時
