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隣の人 ページ9

吉岡と知り合ったのは夏休みが中盤に差し掛かるくらいの頃だった。


風呂上がり。茹だる暑さにたまらなくアイスが食べたくなって、衝動的にコンビニへ行ったんだ。


夜の11時頃。


コンビニの前には派手な見た目の男女が固まって地べたに座り、喋っていた。


うお…怖……ガラ悪。


若干怖気づきながらその集団の横を通り店内へ。


蒸し蒸しした外気と隔離されたその空間はすぐに冷気を体に届けてくれた。


あー、涼しい…ここがオアシスだったか…。


涼を存分に体に受けながら目的のアイスコーナーへ足を運ぶ。


あれもいいな、それも捨てがたい…と贅沢な悩みを楽しんでいたら他のお客さんもアイスコーナーを見始めたから、

横にずれながらなんとなく視線をやる。


派手な金髪。

捉えた瞬間に視線を外す。


おお…コンビニ前にいた人達の一人か…?

さっさとアイス買って帰ろ…。


そそくさと再びアイスに視線を向けて、ほんの数秒くらい経ってからだった。


「…あ」


すぐ隣。金髪の人。

その人が小さな声を漏らして、咄嗟に自身の口を塞いだのがなんとなくわかった。


俺は何も考えず、そんな行動をした隣の女の人を見やる。


かちりと目が合った。


たぶん、歳は俺とそんなに変わらないだろう。金髪とかにしてるとパッと見年上に見えるけど。


そんなことを考えている俺に対し、彼女はおずおずと小さく会釈をした。

手は口元を覆っていて、顔が少し赤くなっているところを見るとどうやらさきほど声が漏れたことを恥ずかしく思っているようだった。


…なんていうか、意外だった。


こう、もっと、騒がしい感じかと思ったし。

よくよく見てみれば丈の長い落ち着いた…言い換えれば地味なワンピースを着ていて。


そんな意外性のせいで、俺の頭の中は一瞬ごちゃついた。


ごちゃついてる間に、


「あの…諸伏くん…だよね?」


目の前の女子は俺の名前を知ってるし。


俺、もしかしてあの集団全員分のアイス奢らされたりすんの…?

とか一気に心が不穏になった。

知→←感情



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かものはし子(プロフ) - フライドポテトさん» 励みになるコメントをありがとうございます(*^^*) (2019年9月17日 13時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
フライドポテト(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。ドツボです。頑張ってください!!!更新待ってます。 (2019年9月17日 2時) (レス) id: 59946ff9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年7月23日 18時

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