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「お前のために…毎日何か美味いもんを用意すると約束する。何もない日はどこかで何かしらを分けてもらう。必ず満足させると約束しよう」
お前の腹を、な。
尾形の視線はおおよそカラになった鍋に落とされている。Aを見ていない。
Aはというと膨らんだ自身の腹を撫でて大層満足気だ。
「だから」
熱々の鍋を平らげ、二人してじんわり汗をかいている。
鍋の持ち手に触れるとまだ仄かに熱を持っていた。
Aはぼんやりと思考を巡らせる。鍋ってそんなに難しい料理ではないけれど…
具材を切って出汁をとって、火の加減を調節して。そのような作業を目の前のこの男、尾形百之助上等兵が黙々とこなす姿を想像する。割烹着で。
笑える、とは違う。何だか妙に微笑ましい気がする…。
「お前は俺について来い」
しばらく無言で彼の話を聞いていたが。
鍋とともにやってきた、まるで求婚のような台詞にAは思わずへへ、と照れた。
そうか。餌付け。わたしは今餌付けされているんだ。
にしても彼は此方を見ていない。
それはガラでもない事を無理に言っていてしんどい、という心の表れなのか？
尾形、尾形ァ！こっちを見ろー！
尾形はAがこれから、あのコタンへ戻るつもりなのだと悟っていた。
共に行動するメリットもない。
何とか自分の傍に繋ぎ止めておくことはできないか。そう考えた末の策だった。
正直に言うと温室育ちのお嬢様の事は苦手だ。更に正直に言えば少々イラっとする時もある。
色仕掛けは失敗だったが…
この娘は色気より、食い気。食に執着しているようだし、そちらを利用してやった方が話が早い。
それにその方が、彼女の存在が不要となった時に面倒なことにならずに済む。
チッ。昨日はどうかしていた。
Aの持っているであろう情報や身体能力。このアイヌの埋蔵金争奪戦で必ず役に立つだろう。
連れに女がいれば潜伏だって一人でいるよりは怪しまれず、ずっと容易い。
ただの女では足手纏いになるだけだろうが、こいつは違う。と思う。
「おもしろそう。わかった、いいよ！」
少し間はあったが前向きな返事だった。
昨夜上手くいかなかった分、思い通りの返事をもらい尾形は安堵したのかやっとAの方を見やった。視線がかちあう。
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メルテア(プロフ) - 炊きたてのお米くらいあっつあつじゃん？でもう笑いすぎて感想書いちゃいましたww主人公面白すぎるwww神作品ありがとうございます！！m(_ _)m (8月31日 8時) (
レス) @page28 id: 296f866ede (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。ありがとうございます！私の中で鯉登は普段ピュアピュアなのにたまに男らしさを見せるカッコイイ奴って感じだったりします！鯉登もちょいちょい絡んできますのでまた読んでいただけると嬉しいです！ (2021年10月10日 20時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - 鯉登少尉のピュアさに悶絶して思わずコメントしました…私自身鯉登少尉推しなのでとても嬉しいです！頑張ってください！ (2021年10月10日 16時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe(プロフ) - 蛙奈さん» 蛙奈様へ。はじめまして！コメントありがとうございます！嬉しいです。色仕掛けちょいちょい出す予定です(笑)素敵なご感想ありがとうございました！ (2021年10月7日 19時) (レス) id: b0de3b5808 (このIDを非表示/違反報告)
蛙奈(プロフ) - コメント失礼します。とても面白いです！特に尾形の色仕掛けが色んな意味でドキドキしました！主人公の食いっぷりも読んでいてお腹が空いてしまいます。素敵な作品！更新待ってます。 (2021年10月7日 17時) (レス) id: dbf954f045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chloe | 作成日時：2021年10月5日 1時
