ファン家のマンネは紅一点２ (ページ1)

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デビュー大作戦 #7(終) ページ1

A視点

デビューショーケースに続いて、遂に単独生放送も成功に終わった。
今はステージの上から、今日来てくれたファンの方に一人ずつ挨拶をしているところだ。

右手の小指にはめられた、少し前にようやく戻ってきた指輪を触りながら前を見る。

お兄ちゃんから返してもらった時、それはそれはひどく泣いてしまった。

一人ずつ、沸き上がる会場を見渡しながらコメントを紡いでいく。

今はミョンホだ。
まだちょっと言葉が拙いけれど、きっとそれもみんな可愛く思っているんだろう。

目を凝らして客席をみると、まるで自分の子供を見守るような顔をしてミョンホを見つめている人もいるし、大声で名前を呼ぶ人もいる。

笑顔の人もいれば、真剣に話を聞いている人もいて、かと思えば泣いてる人も少なくない。

ミョンホの順番が終わり、次のウォヌヒョンに回る。
一番最後の、私の番までもうそこまで時間は残っていない。

静かに息を吸い込むと、ハニちゃんが私の耳元に小さく口を寄せた。

遠い所で小さく悲鳴が聞こえる。

噂のハニAシッパーなのか、それとも嫌悪だろうか。

どっちかは解らない。
どっちもじゃないことを祈ろう。

「大丈夫？緊張してる？」

「ありがとう、大丈夫だよ」

私より緊張してるのはハニちゃんなのに。
でも、私を気遣うくらいには余裕はあるらしい。

一言だけ「良かった」と零して、ハニちゃんがマイク越しに話しているウォヌヒョンの方に身体を向けた。

私はそれを見ずに、ずっと客席だけを眺めていた。

さっきからずっと、誰の言葉も頭に入ってこなかった。
申し訳ないけど誰が何を言ったかは後で確認しよう。

とっくの前に本放送は終わってしまったけど、きっと記録用に残しているはずだから。

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