泣.キ.虫.カ.レ.シ - 南 倉 -

ピエロ01 ページ18

大丈夫 大丈夫

おどけてみせる僕は

小さなサーカスの

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




「今日もあちぃー！」


「お前そればっかうるせーよ」


「え〜、じゃあ倉間は暑くないの？」


「あちーぃよ！！」




俺は、
こうやって友達と馬鹿やってるのが一番好きだ。

好きっちゅーか、

これが俺に合ってるんだ、って思う。




恋とか、
愛だとか、


まずは考えたくない、



って……




そう思っているのに＿＿＿。




「くぉーら！
浜野、倉間、速水！

もう練習始まってるぞ！
早くしろぉぉ！！」




グランドから聞こえる、
大きな叫び声は、俺たちに向けられたものだった。



「やべぇ、あいつ超怒ってる、こぇぇ」


「は、早く準備しましょう！」



倉間と速水はそう言って走って行ってしまった。
俺はというもの……




「浜野、早くしろ！」


「ちゅーか、そんな怒らなくたってよくね？」


「怒るだろ！」




そう声をかけられたのが嬉しくて、
その場から離れなかった。



そしたらずんずんとそいつが寄って来た。




「ほら、迎えに来てやったんだぞ！」


「……、はいはい」





俺は観念して、
そいつの後について行った。






＿＿＿水鳥が好き。




そんなこと、
自分の中では答えは出ていた。





「あ、そうだ浜野ー」


「ん？」




「……ぁの、さ、


帰って来るんだって、さ……あいつ」



「……あいつ？」





「錦だよ錦！」




*

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