げいひめ。 (ページ31)

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「Aはお酒強いけど、、酔ってからが長いねよなあ」

「褒められてる！いえーい！」

「そのポジティブ羨ましいわあ、、」

酒を飲み出してどれくらい経つのか。

少し前に「脱ぎたい！」というAを、

「さすがにやめて？」と制したから、きっともう２時間くらい。

いろんな話を肴に、酒とタバコを楽しんで。

笑うとできるエクボが幼く見えるのに、

タバコに火をつける仕草が妙に色っぽくて。

下品な言葉使いをつっこまれては嬉しそうに笑うのに、

仕事の話を聞くときは真剣で。

あー、ほんまに好きやなあ、なんて。

「おかわりおかわり〜、、、お？」

焼酎の水割り、というか水の焼酎割りを作ろうとする手を止める。

「ちょっと待って、1回」

「お！とうとうえっちの時間？」

「、、うん。とりあえず1回落ち着こか」

色気も雰囲気も何もないまま、嬉しそうに目を輝かせて。

簡単に首に巻き付いてくるその手を、嗜めるようにおろして。

「あ、先シャワー浴びます？」

「、、いやちゃうくて。」

「シャワー浴びやん派ですか？」

「はあ、、それもちゃうんよ」

思わず、ため息がこぼれる。

ほんまにこの子は、、。

「A、聞いてくれる？」

「なになに、こわい！えぐい性癖なんですか？」

「もー、、」

「いや、けんしろさんやったら逆に燃えるか、、」

「もうええから、そんなん、、」

ほんま頭抱えるわ。

ふざける手数が多すぎて、まともな話がでけへん。

俺の好きな子、頭おかしいんよほんまに。

「A、ここ座り」

「え、あ、はい！、、服は、、？」

「脱がんでええから座り」

「はーい」

向かい合って座る。

ジー、っと見つめてくる姿に、思わず口が緩む。

「あんなあ、A」

「はい」

「話があんねん」

「はい！」

「、、ふふ。なんでそんな急に真面目なんの」

「え、いや、怒られるんかと思って、、」

さっきまでの調子はどこへやら。

突然いい返事をしてくる姿に、思わず笑ってしまう。

「はー。ほんま、そういうとこ可愛いわあ」

「、、はい。よく言われます」

「やかましいなあ、ほんま」

目を合わせると、またふふっと笑う。

もう、雰囲気もなんもないんやから、ええやんね？

腕を引いて。

そのまま胸の中へしまい込むように。

「A、好きや」

本心を言葉に。