67、仕事前の1分は重みがある ページ22
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ようやく仕事のすれ違い沼から抜け出して、引っ越しも完了して同棲生活をスタートさせた。
前の家より高専に近くて、いつも通り起きても時間が余ってゆっくりできた……のは最初だけ。
慣れっていうのは怖い。
あと5分寝れる、と思えばもう30分経っていた。
…これはギリギリすぎ。
『なんで起こしてくれないの?!』
「起きなかったのはAでしょう。」
『…優雅にコーヒー飲みやがって!起こせよ!ハゲろ!家入さんに殺される〜〜呪いになって恨んでやる、』
「はぁ。まだ間に合いますよね。」
まだ間に合うって言っても男女で準備の時間が違うんだよ!!
急いでメイクして髪の毛も整えた。
一緒に住んでから高専へは車に乗せて行ってもらっている。
任務内容次第でそうじゃ無い時もあるけど。
車から降りて歩いていると夜蛾学長に呼び止められた。
「Aにこれを渡そうと思って。」
『…なんですかコレ。ぬいぐるみ?』
「呪骸ですか。」
「そうだ。Aは呪霊も祓えない。でもコイツがいれば少しは役に立つだろう。」
『…祓えますよ低級だけ。』
「家に出たらどうするんだ。持っておきなさい。」
『家に連れて帰るなら尚更いらないです。』
ぬいぐるみとか飾るのは趣味じゃ無い。
どうしても可愛いと思ったのだけ家に少しあるけど、そもそも学長と作るやつと趣味が合わない。要するに可愛くない。
「呪いは見えるやつに付いてくることもあるんだ。」
『七海がいるから大丈夫です。』
「今は大丈夫でも家に帰ったらわからんだろ。」
『一緒に住んでるんで大丈夫です、』
学長の「は?」という声。
一歩七海の方に近寄れば、そのまま肩を抱き寄せられた。
「…そうかそういう事なんだな。」
「それでも心配なら受け取ります。」
「いいや、七海ほど安心出来る人はいないだろ。
よかったな、おめでとう。」
学長は少し微笑んでいた。
普段あんまり会わないけど、学長の笑った顔初めて見た。
呪骸には申し訳ないけど…ごめんね、本当に必要無いんだ。
『勢いで言ったけど良かったの?』
「いずれ報告するつもりでしたよ。」
『そういえば今日おはようのちゅーしなかったね。』
「Aが起きないからです。」
『起こしてくれないからでしょ?』
誰もいない事を確認して、廊下で触れるだけのキスをした。
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さしす - とっても面白い!! ナナミンと夢主ちゃんが尊い・・・!! 応援してます! (2022年5月26日 21時) (レス) @page43 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
星空海月(プロフ) - 尊い……ただひたすらに……。ますます沼にハマってしまいました。 (2022年5月21日 23時) (レス) @page43 id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
森 - 控えめに言って尊い…! (2022年2月20日 14時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ - ひゃーーーー照れてる七海サンとか尊い… (2022年1月21日 23時) (レス) @page43 id: cece85a69e (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - chiaki0708さん» 長いのに最後まで読んで頂きありがとうございました✨溺愛具合にニマニマしてもらえて良かったです! (2022年1月20日 12時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年9月26日 13時