警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side




「名前は入江 角夫 46歳で、奥さんと2人暮らし…
この町に金物店を構えたのは14年前…
無口で愛想は悪いが包丁を研がせたら
天下一品だと近所で評判だったよ……」




伊達は警察手帳を開き、内容を読み上げていく。




「肩の刺青は10年前……
町内会の卓球大会に優勝した時に入れた優勝カップ！」


「10年前？」


「ああ……その時、ペアを組んだっていう
外守さんにも確認したから間違いねぇよ……
あと奥さんに花や水をクレクレって言ってたなぁ…」


「それって……
「花に水をくれてくれ」じゃなかった？」




諸伏が言ったのは長野の方言。
長野で「あげる」は「くれる」と言うのだ。




「おいだったら……」


『でも刺青入れたのが10年前なら計算合わないよ？』


「じゃあ次は、萩が話を聞いた外守さん……」




降谷が萩原を促す。




「フルネームは外守 一！御歳50歳で独り暮らし！
元々あのクリーニング店を経営していたのは
伯父だが体を壊し……

入院している間だけ手伝うつもりが
亡くなってからも続けて今に至る……らしい。


二の腕に入れた観音像は20年前に
交通事故で妻と母を同時に亡くし……

その2人を弔う為に入れたみたいで…
観音様の顔が向き合う感じで入ってたよ…」



『(向き合う顔……ゴブレット(・・・・・)の刺青……
どこかで見た、ような……？)』





あごに手を当てブツブツと呟く駿東。





「20年前に刺青を入れたなら15年前にはすでに
刺青はあったけど……
観音像はどう見てもゴブレットには……」


「ゴブレットに見えるっつったら
あのバイク店の店員！

物部 周三って名前で歳は35！
首の後ろのサソリの刺青は昔、ヤンチャしてた頃に
入ってたチームのマークで…

その名もスコーピオン・グラス！」


「むしろゴブレットを模してたのか！」




松田の調査報告に萩原が声を上げる。




「刺青を入れたのは20歳の時って言ってたから
ギリありかもだけど……」


「刺青の位置が首の後ろだからなァ……」


「あの店員も外守のオッサンと同じく
独り暮らしだってよ！」


『ん……？』




追加情報に駿東が首を傾げる。
それは伊達や降谷も同じだった。




「ん？どうした？3人共……」


「いや……何か引っ掛かって……」


「僕も……」


『何かが違う気がする……』


「……」


「何だ？諸伏……お前もかよ？」





あごに手を当てる諸伏に松田が声をかける。
諸伏はハッとして口を開いた。

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