許嫁で純愛 第２章【呪術廻戦】

五十五本 ページ8

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『下手な呪術よりも
基礎で押された方が悟くんも私も怖いな。』


「……！」


『さっき悟くんも言ってたけれど、
悠仁の肉弾戦の才能はピカイチだからね。』





Aの言葉に虎杖が反応する。





「でもでも！それなら俺もうできるぜ！！
あの時なんとなくコツは掴んだ。」


「じゃあやってごらん。どうせできないから。」





五条は手のひらを見せる。
Aはくすくすと笑いながら見守っていた。




ギュン、と体を捻って
強烈なパンチを繰り出す虎杖。





「篭ってなかったね、呪力。」


「なんで！？」


「呪力の源は負の感情。
君の言う"あの時"は
怒りや恐怖に満ち溢れていたんだろう。」


「……あ！！呪力を使う時は
常にブチ切れてなきゃいけねーのか！！
確かに伏黒もいつもキレ気味だったかも！！」


『違う。』






──────グランドにいる伏黒が反応したのは
近くにいる真希しか知らない。






「皆わずかな感情の火種から
呪力を捻出する訓練をしてるんだ。

逆に大きく感情が振れた時
呪力を無駄遣いしない様にもね。」


『訓練方法はいくつかあるけれど
悠仁にはかなり厳しいものをやってもらうよ。』


「ど……どんな？」


「『映画鑑賞！！』」





五条とAが両手いっぱいに持った
映画のＣＤを見せる。




「映画……鑑賞？？」


「そ。
名作からＣ級ホラー、地雷のフランス映画まで
起きてる間はブッ通しでだ。」


「？？」


「勿論 ただ観るだけじゃないよ。A。」


『はい。』





Aが抱えていたのはクマのぬいぐるみ。
何か寝てるし鼻ちょうちんも出てる。





「コイツと一緒に観るんだ。」


「何このキモカワイイ人形。」


「カワイイか？」


『カワイイ。』


「……Aは学長のぬいぐるみ好きだもんね。
学長特製の呪骸だよ。」


「あー！！やっぱりか！！
……で？全然要領得ないんだけど。」


「焦らない焦らない、そろそろだよ。」




五条がそう言った時、
寝ていた人形が目覚まし虎杖の顎を殴った。




「いっでぇえええ──────」


「その呪骸は一定の呪力を流し続けないと
目を覚まして今みたいに襲ってくるよ。

あ、Aそろそろ戻る？
僕はしばらくここにいるから皆のことよろしくね。」


『はい。』


「ててて……A先生どっか行くの？」


「他の一年生達の指導。副担任だからね。」

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