七本 ページ8
no side
「いやはや……利発なお嬢さんですな。
これなら我が五条家に迎えても問題は無さそうです。」
「有難いお言葉で……」
『……』
問題は無さそう、と言うものの
五条家の当主は意図の読めない顔をする。
古式家の当主、Aの父親は
始終ニコニコと笑顔を浮かべていた。
「悟、入って来なさい。」
「……」
そんな声に五条家当主の背後の襖が開く。
雑に開かれた襖の向こうには１人の少年。
白い髪、蒼い瞳の整った顔立ちをした少年は
机の隅に座るAを一瞥して適当に座った。
「挨拶しなさい。」
「…………五条悟。」
「ほらAもご挨拶しなさい。」
『古式Aと申します。』
そう言ってAはにこりと笑う。
五条は横目にそれを見て顔を
「悟、緊張しているのか？」
「してない。」
「ならもっと話したらどうだ。
お前の妻になるかもしれない子だよ。」
「……」
Aは不機嫌な五条に内心冷や汗をかきながら
人当たりのいい笑みを浮かべていた。
「ふむ……大人が居ては話しにくいか。
悟、お嬢さんと庭にでも行って来なさい。」
「ﾁｯ…………」
そう言われ小さく舌打ちをした五条は立ち上がる。
再び襖に手をかけ勢いよく開く。
「何してんの。さっさとしろよ。」
『あっ……は、はい……！』
Aも慌てて立ち上がり五条の後を追う。
そして横にいた古式父が一瞬だけAを睨んだのを
五条は見逃さなかった。
.
スタスタと歩く五条の後ろを
Aは足音をさせないよう静かに追いかける。
Aは自分の家から出たことが無かったゆえに
広い家も、綺麗な装飾も全てが新鮮だった。
五条を追いながらそれらを横目で見ていく。
「……おい。」
『ｯはい。』
五条は立ち止まり低い声で言う。
Aは肩を揺らして五条を見る。
「オマエ、気持ち悪い。」
『えっ……』
「何で笑ってんの？笑う気ねぇんだろ？」
『そ、れは……』
Aの顔から血の気が引いていく。
"五条悟に気に入られろ"という
父親の言いつけを守らないと酷い目にあうから。
「何？何か言いたいことあるなら言えよ。」
『ｯ…………』
「おい、」
微かに震え出すAに気付く五条。
どうした、と声をかける前に
Aの背後の人影に気付いて口を閉じた。
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (
レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね！、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね！！私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです！更新待ってます！！ (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです！無理のない範囲で更新頑張って下さい！ (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年10月25日 22時
