許嫁で純愛【呪術廻戦】

二本 ページ3

貴女side




お勉強を終えて自分の部屋で寝転がる。
兄様達と同じお勉強だからとても難しい。





『あ……髪が…………』





起き上がると同時に転がり落ちるかんざし。
ちょっとチクッとしたのは一緒に髪も抜けたから。





かんざしについた長い髪。
指でつまんで思わず眺めていた。





『昔髪の毛を使った呪法があるって言ってた……』





髪の毛を陽に透かしたり、振ってみたり、
もしかしたら何か起こるかもしれないと思って
やってみた。





『…………起きない、』





やっぱり動かすだけじゃダメ、かな。
呪力を流してみる……？





指先に力を入れて呪力を流す。
何かに変えれるかな、それなら女の子がいいな。
そしたらお友達になるんだ。





次の瞬間、髪の毛がムクムクと膨らんで
あっという間に女の子に変わった。





『え……』


「……！……！！」





気配からしたらこの子は呪霊。
でも……悪い気は発してない、てことは……





『式、神……？』


「！」





あまりにも呆気なくて物凄く驚くことは無かった。
じゃあこれが私の呪術。





──────古式A６歳。
──────今日初めて"式神召喚"が成功した。





『あなたは何が出来るの？』


「……！…！」


『何でも……？
じゃあ、髪の毛とか結える……？』


「！！」





式神である小さな女の子は
落ちていたかんざしを拾うと私の背後に回る。





「！…！！」


『お任せ、で……！』





この式神は喋れないのかもしれないけど、
ちゃんと何を言ってるのか分かる。




しばらくクイクイと髪が引っ張られていたけど
かんざしを着けてくれた瞬間、女の子は消えた。





『あれ……？ど、どこ行ったの……？』





部屋中を見回しても女の子は居ない。
式神だから消えちゃった、のかな。
それか…………





『……命令を完了したから消えた……とか。』





畳に落ちた髪の毛はツヤツヤじゃなくて、
古いお人形みたいな髪の毛になっていた。

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