十一本 ページ12
no side
「な、生意気を……！！」
Aに手を伸ばす古式。
五条が庇うように前に出た。
「──────古式さん。」
「！！は、はい、」
今にも手が触れそうになった瞬間、
五条父が口を開いた。
「悟とAさんがここまで言うんです。
彼女は我が家で引き取りましょう。
話の通りでは……
彼女の実力は悟がいてこそ発揮されましょう。
そして貴方たちは不要だとも。
でしたら、しょうがありませんなあ。」
「ぐｯ……！！」
古式家と深い縁を結ばなくて良いとなれば
好都合なのは五条家も同じ。
「どうです。
子ども達の意志が優先でしょう。」
「ｯ……」
「嗚呼、
悟は"干渉をするな"、Aさんは"放っておいて"、
家族の縁を切れとは言ってませんからね。
会おうと思えばいつでも会えますよ。」
ニッコリ笑う五条父。
その笑顔の裏には何が隠れているのか分からない。
「わ……私たちはどうなるのでしょうか、」
どうなるのか、それはAが縁談を受けることで
結ばれるはずだった五条家との縁。
「少なくとも今のような惨めな扱いからは
抜け出せるでしょうな。」
「…………では、申し出を受けさせて頂きます。」
『…………(こんな時にも家名が大事、か。)』
Aはどこか悲しそうに目線を下げ顔を伏せる。
そんなAに古式父は気付かない。
「２人は"許嫁"ということで宜しいですかな。
籍を入れるのは２人が成長してからで─────」
「えぇ、構いません。」
「では詳しい話は──────」
「はい──────」
子どもそっちのけで話し始める２人に
五条とAは顔を見合わせる。
「……出よーぜ。」
『うん……！』
五条はAの手を引いて部屋を出る。
そしてそのまま廊下を駆け抜けていく。
Aは生まれて初めて廊下を走り
何とも言えない興奮で満たされる。
『すごい……！』
「こんなの普通じゃねぇ？」
『そうなの……！？
私、お外にも行ったこと無いの、だから……』
「……じゃあ駄菓子屋とか知らねぇの？」
『ダガシヤ……』
首を傾げるAに五条はニヤリと唇を横に引く。
「今度そこ連れてってやる。
そのうちAはウチに住むだろーし……」
『あ……！そ、そう、だね……！』
「照れるのは？？」
『き、禁止……！！』
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (
レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね！、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね！！私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです！更新待ってます！！ (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです！無理のない範囲で更新頑張って下さい！ (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年10月25日 22時
