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貴女side
『ｯ……』
ハッと目を開ければ薄暗い物置。
磨り硝子の真ん中ら辺に太陽の光があるから
もうお昼だろうか。
『暑……』
横に転がるペットボトルに手を伸ばす。
お茶ぬるっ……
いや無いよりマシか……
嫌な夢……というか記憶か。
思い出してしまった。
そう考えるとこの状況も怖くて仕方ないから
必死に考えを変える。
『まだ明るい……まだ明るいから大丈夫……
最悪の場合このガラス割って謝れば……』
深呼吸しながら気持ちを落ち着ける。
腰に挟んでいたタオルで汗を拭う。
『ｯ……だめだ、怖いもんは怖い、』
ふ、とした隙に視界に入る暗い影。
あれ以来、私は１人で狭い所に入れなくなった。
軽度の閉所恐怖症みたいなものだろう。
喉が張り付くように乾いて息がしずらい。
肌にまで感じる狭さ。
誰でもいい、ここを開けて。
『テツ……研磨……！！』
思わずギュッと目をつぶって２人の名前を呼ぶ。
お願い、気付いて…………！！
「「A！？」」
『！？』
「今声したよな！」
「した！！A！大丈夫か！？」
『さ……むら、さんと……すが、さ……？』
ガチャガチャと金属が触れ合う音がして
勢いよく扉が開かれる。
差し込む強烈な光に助かった、と思うと同時に
あの日の、体育館の眩しい照明を思い出した。
逆光の中、２人……？３人……？の人影があって、
その人達の口は大きく開いていて、
それは、私に向けて何かを言っていて、
わたしは、たすけを、よばなきゃ、
また、とじこめられちゃう……！！！
「A、大丈夫か──────」
『い……イヤァァァァァッ！！！！！』
伸びてきた手を振り払って後ずさる。
背中に
「Aｯ……！？」
『やめて、来ないで……！！！
やだ、閉じ込めないで！！
お願い……お願いします、許して……！！！』
まだ手が、伸びてくる。
やだ、やだよ！！
「……スガ、１回離れろ。」
「お、おう……」
「黒尾を呼んできてくれ、ここは俺が見てる。」
「……！分かった。」
怖くて、顔が見れなくて、下を向く。
ごめんなさい。許して下さい。すみません。
ひたすら謝り続けていると頭が少し重くなった。
それ、はゆっくり左右に動いていた。
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沙羅(プロフ) - ★さん» コメント、ご意見ありがとうございます。典型的な悪女を出して対立させたかったので登場させました。そう思われないよう、今後は気を付けて書いていきたいと思います。参考になるご意見をありがとうございました。 (2021年7月7日 1時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 姫野？ってキャラいる？いなくても話成り立つしむしろいることによって今までの面白さが無くなって残念です。 (2021年7月6日 22時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ひにゃ。さん» コメントありがとうございます！皆様の応援のおかげで書いてくることが出来ました…！！本当にありがとうございます！入試、頑張ってきます！！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃ。(プロフ) - 続編おめでとうございます…！受験生にもかかわらず、更新して下さった主様は神です…！入試頑張ってください…！東京から応援しています…！主様が志望校に受かりますように…！ (2020年9月2日 22時) (レス) id: b37bb85b42 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 何となく方言わかった。だらー。 (2020年8月31日 23時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年8月10日 21時
