検索窓
今日:1 hit、昨日:23 hit、合計:182,111 hit

伍拾陸 ページ41

no side




「汽車の中であの少女が
血を流しながら人間を守るの見た。

命をかけて鬼と戦い人を守る者は
誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ。

胸を張って生きろ」





煉獄は優しく微笑んだ。





「己の弱さや不甲斐なさに
どれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。
歯を喰いしばって前を向け。

君が足を止めて蹲っても
時間の流れは止まってくれない。
共に寄り添って悲しんではくれない。


俺がここで戦えなくなることは気にするな。
柱ならば後輩の盾となるのは当然だ」




『ゲホッ……ハッ、ハッ……
先輩隊士なら、誰であっても同じことをするよ。
若い芽は、摘ませない………』





Aも止血を終え、起き上がる。





「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年。
もっともっと成長しろ。

そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。
俺は信じる。君たちを信じる」





「……」





炭治郎は涙を拭って下を向く。

己の不甲斐なさに涙が止まらなかった。





煉獄は"何か"を見たのか

嬉しそうに笑うとそのまま意識を失った。





『……伊之助君、おいで』


「ッ……」





立ち尽くしたままの伊之助を呼ぶA。





伊之助は動こうとしなかったが

優しく微笑むAを見て、刀をしまい、近寄る。





『伊之助君もよく頑張ってくれたね。
お陰で杏寿郎も、私も、一人も死なずに済んだよ。
ありがとう、伊之助君』


「ッ……当然だろ…………!!」





伊之助は乱暴に答えると

Aの横にドカッと腰を下ろした。





「お前……ちゃんと、勝負出来るんだろうな、」


『勿論!傷さえ治れば何時でも相手になろう。
運良く五体満足だから──────』


「おいっ、」





そこまで言ったAは貧血を起こし倒れ込む。

伊之助が慌てて受け止めるもAの意識は無い。





どうすれば良い、と炭治郎に助けを求めるが

炭治郎は炭治郎でショックを受けており動かない。





そこに禰豆子の入った箱を背負った善逸が来て

そっと話し出す。





「汽車が脱線する時……
煉獄さんとAさんがいっぱい技を出しててさ、
車両の被害を最小限にとどめてくれたんだよな」


「そうだろうな」


「こんなに重傷を負うなんて、そんな……
ほんとに上弦の鬼が来たのか?」


「うん」


「なんで来んだよ上弦なんか…
そんな強いの?そんなさぁ…」


「うん…」





やっと炭治郎はゆっくりと話し始めた。

伍拾漆→←伍拾伍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
619人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。