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伍拾参 ページ38

no side





『!』





猗窩座の拳がAの頬を掠める。

"闘気"が増した分、猗窩座が有利だった。






『…………畜生、』






Aの瞳にやる気が宿る。






お忘れかもしれないが

彼女は馬鹿みたいに負けず嫌いである。←






「(さらに闘気が強まった!!このまま勝てる!)」





猗窩座が確信を得て再び構えをとる。

反対にAは大きく息を吸うと全ての力を抜いた。






「Aさんの匂いが薄まった……!」


「匂いだけじゃねぇぜ権八郎……
あれは獲物を狩る獣と同じ気配だ」


「よもや……」





驚いたのは3人だけでは無い。

猗窩座もAの闘気が消えて焦っていた。





「(何で、闘気が消える……!?)」





Aは元"木霊柱"。

木霊というのは木の精と言われている。



技を極めたAにとって

気配を消したり、樹木らと同一化したりするのは

朝飯前なのである。



…………Aの"特異体質"のお陰もあるが。






『フゥ…………』






呼吸の音が静かに響く。






再び気配が消えたことにより

猗窩座は僅かに動揺するが空式の構えを取る。






「Aも鬼になれ!!歓迎するぞ!」


『遠慮するよ。
私はお師匠の分も生きなくてはならないからね』


「鬼になれば永遠に生きられるんだぞ!?
そのお師匠とやらの分も生きられるだろう!」


『人として、って話だ』






Aは猗窩座の羅針を掻い潜り、刀を振る。






「ッ……残念だ」


『!』





頬を斬られた猗窩座は術式展開で

まだ横になっていた煉獄らの方へ向かう。






「まずは1人目」






振りかぶられた拳は

動けない煉獄に向けて真っ直ぐ向かう。






『ッ逃げろ!!』


「もう、遅い……!!」







猗窩座の拳は勢いよく振り抜かれた。

伍拾肆→←伍拾弐



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沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

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