師範を嫁にしたい・弐【鬼滅の刃】【宇髄天元】

丗伍 ページ19

貴女side





『…………お休み、天元』





そっと声をかければ

小さな寝息が天元の方から聞こえてくる。





朝早くからお館様の屋敷まで走ったんだ。

疲れていて当然だよね。





畳の上で繋がれた左手に視線を向ける。

…………温かいなぁ。





天元は本当によく気が付く。

私が少しでも悲しんでいればいつの間にか隣にいる。





『ほんと、凄いね天元』





気付かれないようにそっと手を離し

天元の手を布団の中にしまう。





逃げるな、と言われた様なものなので逃げはしない。





ゆっくり布団から起き上がり

障子で閉じられた窓辺に近付く。





コトリ、と小さな音が立ちながら障子が開く。

置かれた椅子に腰かけ、外を眺める。





街灯が綺麗、とかそんなのは無いけど

今日は雲ひとつない星空が広がっている。





……あれは何座だろうか。

星座なんて教わったことがないので分からない。





でも色んな星が集まって

大きな星座になるなんて凄いと思う。(小並感)






今度、しのぶちゃん辺りに聞いてみようかな。




お土産に生姜の佃煮とか持っていこう。

…………自分では作れないから菫さん(・・・)に頼もう。





蜜璃ちゃんと甘味屋巡りもしたいなぁ。

甘いものは正義。




久しぶりにお館様(耀哉さん)と話すのも良いな。




嗚呼、天元とふぐ刺しも食べに行かないと。






しばらく空を眺めてから

布団で眠る天元に視線を移す。






寝顔だけでも金が取れそうだわ。(褒めてる)


あんな色男、誰も放っとかないだろう。


現に意外と人気者なのだコイツ。


顔がいいから。そう、顔が。





私では到底、釣り合わない顔面偏差値。

畜生。悔しくなってきた。









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『…………星が綺麗ですね』

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