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「…………"血野"って苗字はさ、
この山を幾つも超えた所にある集落限定なんだよ」




芽吹は片付けをしていた手を止めそう言う。




「とても信じられない……が、
どうやらお前は普通の子どもじゃないみたいだ」

『……?』




ぱっとAの手をとると

その掌を見えるように開いた。




「これ、木刀でも振ってたろ。
あとは…その袂に隠してる暗器。普通持ってねぇよ」

『ッ……これは、そのっ……』




焦ったように手を離すA。




「別に咎める気は無いよ。
…………A、お前、逃げてきたんだよな?」

『う、うん……』





Aは少し怯えたように頷いた。






「俺の"継子"にならねぇか?」






聞きなれない言葉にAは目を瞬かせる。





『つぐこ……?』

「そう。簡単に言えば弟子みたいな」





『何で……?』

「何でって…才能ありそうだし。
なにより"独り"って結構寂しいだろ?」





Aはハッとしたように芽吹を見る。

芽吹も"独り"なのだ。





『ッ、な、何の弟子になればいいの?』

「お、興味でてきた?断られると思ったんだけど」





芽吹はケタケタと笑いながら説明を始める。




「俺は鬼殺隊っていう政府非公認の組織にいる。
そもそも鬼殺隊ってのは──────」







.









「──────まぁこんな訳でな。
人手は必要だが隊員の腕が悪いのがちと問題。

んで、"柱"かつ"育手"である俺は
優秀な後継者を探して育てなきゃならねぇ。

そこでお前よ。Aなら任せられる」






芽吹はザッと、

十歳のAでも分かるように説明を終えた。






『鬼殺隊……鬼を………殺す、』

「怖いか?」





芽吹は少しだけ首を傾げて尋ねる。

Aは首を横に振った。





『樹ノ守さん、私を"継子"にして下さい。
私は、許されるなら(・・・・・・)人を助けたいです。

きっと父上と母上が居ないのは悲しいんです。
お手伝いさんが居なくなるのも悲しいんです。

…………私に、出来ますか?』





Aはじっ、と芽吹の目を見る。

芽吹は少しだけ目を閉じてから笑った。





「出来る、なんて断言は出来ねぇ。
最善を尽くせ。出来る限りの力で戦え。
──────そうすればお前は人を助けられる」





わしゃわしゃとAの頭を撫でる芽吹。

Aはパァ、と何年かぶりの笑顔を見せた。






そしてAは"(いつき)柱"の継子となった。

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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時

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