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no side
※若干の流血表現があります。




先程までAがいた場所には

長く鋭い爪があり、木に突き刺さっていた。




「グゥゥ……」




その爪は人の姿をした化け物から放たれている。




『ッ……!?』




ギョロギョロと動く目玉。


伸縮自在な爪。


唇の隙間から覗く牙。




『(人じゃない……!!)』




それ(・・)はよだれを垂らしながらAを見据える。




ゆらり、と動いたと思うと

Aの足元には新たに伸びた爪が刺さっていた。




『ッ、』




Aが避けた先を読んで

違う指の爪がAの腹部に突き刺さる。




Aの着物が赤く染っていく。

手で引き抜けばそれに沿って吹き出す血。








──────四年間の"訓練"で

Aの感覚は麻痺を起こしていた。







無意識に痛みから身を守るため

一時的ではあるが痛覚の伝達を遅らせていた。







Aは簪を握り直し化け物を見る。







化け物はAめがけて複数の爪を伸ばす。

Aはそれを素早く斬り捨てた。






「!?」

『遅い、』






トン、と地面を蹴ったと思うと

Aは化け物の腕を斬り落としていた。





斬り口からは鮮血が吹き出す。





これで爪は伸びない、と安心したのも束の間。

斬られた腕はものの数秒で復活した。





『な、』





今度はAの腕が切り裂かれる。

Aは距離をとりながらその傷を見た。





どこかで見たことのある傷の付き方。





切り口の初めと終わりは筆が抜けるように細くなり

中間地点は抉るような切り傷。





『父上と……母上を斬ったのはお前か……?』

「ギィィィィ……ッ!!」





化け物は答えない。

勿論、話せるような理性は残っていないから。





『答えろ……!!
私が、独りになったのはお前のせいか!?』





Aは微痛など無いかのように跳躍する。

簪を化け物の額に突き刺した。





『お前のせいで、お前が両親を殺したせいで
私は悲しくて、辛くて、怖い思いをしたのか!?』





Aは泣いていた。





『ッ……』





Aは簪を引き抜き、化け物の頸に突き立てる。





「グゥッ……!!ギャ、ギャッ!!」





簪が頸にくい込んでいく。

Aは決心したように思い切り刺し込んだ。

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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時

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