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no side





今から約22年前。

その日の夜は一段と冷えて暗かった。




大きな山を幾つも越えて

窪んだ土地にその集落はある。




集落、と言っても独自の技術で発展し

日本家屋でも豪華なものは多い。




中でも一際目立つ大きな屋敷がある。

瓦葺の屋根に漆喰壁。

母屋と離れ、納屋、蔵などが揃った豪邸だ。




さて今の時刻は草木も眠る丑三つ時。

この屋敷の者も寝静まり不気味な程に静かだった。




その家の長女は臭気に目を覚ました。






──────鉄の臭いだった。






『…………?』




年端も行かぬ幼い少女は身体を起こし床から抜ける。




足音を殺し長い廊下を歩く。

臭いの元はどうやら両親の寝室のようだ。




『父上、母上……?この臭いは……』




床に座り襖を開けて中を覗くが

当然ながら行灯(あんどん)は灯っておらず暗い。




少女はそっと手を伸ばし

両親の眠っているであろう布団を探す。





ひやり。





指先が濡れる感触。





ぐにゃり。





続いて柔らかい何かが触れる。





『?』





少女は月明かりを取り込むため

部屋と廊下を仕切る襖を大きく開ける。





『ッ!』





少女の目に飛び込んできたのは

両親であったであろう、塊だった。





『ち、父上、母上!?』





少女は両親の横に移動し状況を確認する。




『ッ……だれが、父上と母上を…………』




少女は零れる涙を拭って部屋を見回す。




両親の手元付近には暗器が転がっており

咄嗟に応戦したものの────という所だろう。





『…………寒い』





少女は力が抜けたように座り込み

両親であったであろう塊に手を伸ばす。





『寒いよ、父上……母上……
ひとりに、しないでください…………』





少女は崩れるように横になり

朝日が昇り、使用人が来るまで目覚めなかった。

.→←丗弐



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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時

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