師範を嫁にしたい【鬼滅の刃】【宇髄天元】

廿参 ページ25

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「Aは本当に情報が早いね。……手紙を」

「はい」




そう返事をして懐から手紙を取り出す御息女。

師範が胸元に手を置いた理由はこれか……？




「こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様から
頂いたものです。一部抜粋して読み上げます」




師範は鱗滝左近次からお館様に手紙が届いているのを

知っていて話を聞きたい、と言ったのか。







「«炭治郎が鬼の妹と共にある事を
どうかお許し下さい。

禰豆子は強靭な精神力で
人としての理性を保っています。

飢餓状態であっても人を食わず、
そのまま二年以上の歳月が経過いたしました。

にわかには信じがたい状況ですが
紛れもない事実です。

もしも禰豆子が人に襲い掛かった場合は
竈門炭治郎を及び、鱗滝左近次、冨岡義勇が
腹を切ってお詫びいたします。»」





竈門炭治郎が涙を流し、少しの静寂が屋敷を包む。





「切腹するからなんだと言うのか。
死にたいなら勝手に死に腐れよ……！
何の保証にもなりはしません」

「不死川の言う通りです！
人を食い殺せば取り返しがつかない！
殺された人は戻らない！」




不死川と煉獄が怒ったように言う。

言ってる事はもっともだ。




「確かにそうだね」

「では……」

「お館様！」




お館様はそのまま続ける。




「人を襲わないという保証は出来ない。
証明が出来ない。ただ……」




"ただ"という言葉。

その言葉に師範が僅かに視線を横に向ける。

…………不死川を見てんのか？




「人を襲うということもまた証明が出来ない」

「ｯ！」




「禰豆子が二年以上もの間
人を食わずにいるという事実があり
３人の者の命が掛けられている。
これを否定する為には否定する側もそれ以上のものを
差し出さなければならない」

「ｯ…………」




悔しそうな声を漏らす不死川。

師範はそんな不死川と鬼の入った箱を

視線だけで交互に見る。




「皆にその意思はあるかな。

それに私の子ども達に伝えておくことがある。
──────この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」




「「「！？」」」




何だと……！？

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