師範を嫁にしたい【鬼滅の刃】【宇髄天元】

拾伍 ページ17

貴女side




しのぶちゃんは少し頭が固い。

仕方ないのは分かっている。




『ﾁｯ……止まれ、炭治郎君！』

「ｯ……殺す気なら無理です！すみません！！
禰豆子はっ……禰豆子は悪い鬼じゃない！！」




冷静じゃないな。

これではまともに話も出来ない。




『！』




背後から駆けてくる気配を感じ首を捻る。




『カナヲちゃん……！』

「…………」




私の頭上を飛び越えたカナヲちゃんは

そのままの勢いで炭治郎君の背中に蹴りを入れた。

……痛そ。




「逃げろ禰豆子！走るんだ！絶対捕まるなｯ──」

『うおっ……カナヲちゃん、それは……』




かかと落としがモロ入りました。痛そ。(2回目)




『お、おい炭治郎君……大丈夫？
うわぁ……気ぃ失ってる……』




そっと炭治郎君を寝かせて私もカナヲちゃんを追う。

視線の先には縮んだ鬼の少女が走っていた。




『カナヲちゃん、交代』

「！」




軽くカナヲちゃんの肩を引いて止める。




『私が捕まえる』

「…………はい」




その返事を聞いて軽くカナヲちゃんの頭を撫で

素早く地面を蹴って少女を追う。




『えーっと……禰豆子ちゃん？
今は君は斬らないし、炭治郎君も斬らない。
とりあえず止まってくれない？』

「ム……」




ちらりとこちらを見る禰豆子ちゃん。

まあ炭治郎君が捕まるなって言ったし無理かな。




『しのぶちゃんからの命令は
"追って下さい"だからね。もう任務は果たしてるけど』




ドンッ、と再び強く地面を蹴り

禰豆子ちゃんの腕を掴む。




『落ち着いて禰豆子ちゃん。
今ここで逃げても他の柱からは逃げられない。
君のお兄さんを守る為にも大人しくして欲しい』




お兄さん、という言葉に反応すると

禰豆子ちゃんは大人しく私の腕に収まった。




「ムー……」

『うん、ありがとう』




優しく禰豆子ちゃんの頭を撫で持ち上げる。




『今後は少し厳しくなるかもしれない。
禰豆子ちゃん、お兄さんの為に頑張るんだよ』

「ム、」




そう言ったと同時に彩雲が頭上で鳴く。




「伝令。カア、本部より伝令。
炭治郎、禰豆子、両名を拘束。本部へ連れ帰れ」

『……ありがとう彩雲。了解した』




悪いね、と呟きながら禰豆子ちゃんを縛る。




「…………Aさん」

『カナヲちゃんもご苦労様。
君は隠の人と合流して指示を頼むよ』

「…………はい」




私は縛った禰豆子ちゃんを箱に入れ

縛った炭治郎君を抱えた。

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