No.２０５ ページ30
no side
「は……？」
「ニュースで見たことがあるだろうが、
Aが両親を失った理由はヒーローだ。
ヒーローが、Aの親を殺した。」
「ｯ……」
「だが、…………それ以前に、
Aは両親から虐。待を受けていた。」
話しづらそうに相澤は続ける。
「５歳の子どもに家事を強要し、
召使いかのようにAを扱ったんだ。
手や足を縛ったり、叩いたり……酷い扱いをした。
…………でも、Aは両親を信じていた。
いつか、褒めて貰えると、信じていた。」
.
「あの日はAが初めて両親と出掛ける日だった。
だが、敵が両親を人質に取ってしまったんだ。
たまたま強盗事件から逃げて来た敵が居た。
たまたまA達が近くに居た。
それだけだった。計画性の無い犯行、
行き当たりばったりで人質を取ったんだ。
子どもだったAより大人を取るくらいだからな。」
「……」
「後から追ってきたヒーロー達は
人質が居ることで手を出せず、説得に及んだ。
先に痺れを切らしたのはヒーローだった。
まだヒーローになって数年の新米ヒーローだ。
彼は自分の"個性"と技術を過信しすぎたんだ。
光を集めレーザービームの様な物を発する"個性"。
人質には当てず、敵にだけ当てられると過信した。
他のヒーローの制止も空しく、そのヒーローによって
Aの両親は命を落とした。」
相澤は悔しそうに顔を歪める。
爆豪も、オールマイトも皆が黙って聞いていた。
「世間では賛否両論だった。
敵確保の上で仕方の無い犠牲だった、と言う者や
先走った行動が人質を殺した、と言う者。
だがヒーローが人質を殺したということは
紛れも無い事実。
現にその新米ヒーローも徐々に気を病み
Aを脅しにかかった。
「俺は殺していない。助ける為。仕方なかった。」
路地裏でそうAに詰め寄った。
だがそのヒーローは何者かに殺され
その現場が見つかる前にAは逃げた。」
悪気あってじゃない。
恐怖を感じ、本能的に逃げただけ。
「Aはこの近くの公園で見つけた。
冬の夕暮れだったから少し遅かったら
低体温症なんかで危なかった。
Aはほぼ放心状態でベンチに座っていた。
唯一の家族である両親を目の前で失い、
親の仇とはいえ、ヒーローも目の前で息絶えたんだ。
当然だろう。」
相澤は静かに目を伏せた。
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沙羅(プロフ) - 美貴さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を頂けて本当に嬉しいです…！時間が出来たら更新していきますので、どうぞこれからもよろしくお願いします！！ (2020年10月9日 21時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
美貴(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2020年10月9日 20時) (レス) id: 0d75d28fd3 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 史織さん» コメントありがとうございます！優しい皆様のお陰でここまで続けられています…！！受験を控えてはおりますが、何とか更新していきたいと思いますので！！どうぞ今後もよろしくお願いします！！ (2020年8月8日 12時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
史織(プロフ) - このお話のシリーズ、大好きです！応援してます！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！！ (2020年8月8日 1時) (レス) id: b3e12da95e (このIDを非表示/違反報告)
莉紗 - 夢主ちゃん反応がかわいい！ (2020年7月29日 17時) (レス) id: e49fcaed15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2019年12月9日 21時
