５・雪童子の昔話【文豪ストレイドッグス】 (ページ35)

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ひゃくにじゅういちページ35

貴女side

作くんと階段を登り

子供たちの居室への扉を開いた。

織田「よう、元気か」

貴女『こんにちは～』

子供たちはそれぞれに

絵本を読んだり、画用紙に絵を描いたり、

軟球を壁に投げたり、綾取りをしたり。

……違和感。

何の違和感だろう。

作くんが親爺さんを困らせるなよ、

みたいな事を話している時だった。

二段寝台の上で何かが動く。

その瞬間、それは作くんに飛びついた。

隠れていたもう一人の子だった。

そうか、違和感の正体は子供たちの人数！

否、判っていた作くんは避けたが

それは囮で……右脚に咲楽ちゃんが飛びつく。

成程。計画してたのか。

何時の間にか綾取りに使っていた縒り紐が

思い切り張られていて作くんは踏み出せない。

作くんは二段寝台を掴んで転ばないようにするも

その手はつるん、と滑っていく。

……安価かつ子供たちが用意できる物。

鑞絵具(クレヨン)が塗ってあったらしい。

床に手をついた作くんの背中に

二人の少年が飛びかかろうとした。

作くんは傍らに転がる軟球を手で払い

飛びかかる少年の顔に直撃する。痛そう。

足を振り抜いて縒り紐を引き剥がし

咲楽ちゃんを高くあげて落とした(語彙力)。

貴女『次は私だねえ！』

咲楽「えい！」

既に作くんに敗退した

咲楽ちゃん、克巳くん、優くん、真嗣くんが

一斉に私へ飛びかかる。

貴女『きゃー』

腕を掴む咲楽ちゃんを一回転させて床に転がす。

咲楽「わっ！」

私より背の高い克巳くん達は

ガシッと足を絡めてそのままクッションに投げる。

克巳「うげっ」

優「うわっ」

真嗣「う"っ……」

転がった４人の前に立ち胸を張る。

貴女『甘いぞ諸君！！』←

皆して口々に小さいくせに強いだの

何だのと抗議してくる。

貴女『さ、取り敢えず作くん達を観戦しよう』

５人床に座って作くん達を見守った。