きゅうじゅうろく ページ4
【極秘資料】
書類番号・K2364
川端・ローゼン・Aについて記す。
・××年×月×日
露西亜帝国 モスクワ州ニテ
父キリル、母エレーナ、間ニ誕生。
・××年×月×日
三歳マデニ英才教育ヲ受ケタト思ワレル。
・××年×月×日
当時六歳、外出中ニ犯罪組織ニ誘 拐サレ
港ヨリ密輸船ニテ日本ニ密入国。
・××年×月×日
島崎藤村ヨリ人体実験ヲ施サレ
人知ヲ超エタ能力ヲ得タト考エラレル。
・××年×月×日
研究所ハ、"マフィア"ノ金ヲ横領シタ疑惑ガアリ
黒蜥蜴ヲ主ニシタ襲撃。
川端ノ行方ハ判ラナクナルガ、
後日、当時街医者ヲシテイタ森鷗外ノ元デ確認。
・××年×月×日
ポートマフィア加入。
・××年×月×日
太宰治,中原中也ラノ指導ヲ開始。
・××年×月×日
未指定,幹部補佐ニ就任。
──────
貴女side
貴女『書いてあるのは此処まで……か』
空白の所々に補足説明が書いてある。
でも、これじゃあ……私の、私だけの説明だ。
……次の頁には何が書いてあるのだろうか。
ペラリと頁を捲って呼吸が止まった気がした。
貴女『両親の、タヒ亡が……確認?』
嘘だ、何で?
まだ、パパもママも若いはず。
貴女『………暗 殺?』
その二文字が私の心臓を強く締め付けた。
何で……暗 殺されなきゃ…いけないの。
貴女『"娘捜索ノ為ニ莫大ナ資金ヲ使イ"……?』
なら…パパとママがタヒんだのは……
私の、せい?
貴女『"裏ノ社会デ流通スル資金"…?
パパ達は…それを使ったから、ってこと?』
私が…居なくなったから……
私のために…パパとママが…!
でも、何でそんなお金を使えたの?
ペラペラと頁を捲っても他には何も無い。
溜息と共にファイルを閉じた時
隣に置かれたもう一つのファイルを思い出した。
作くんが「最初のを読めば判る」と云ったやつだ。
貴女『これに…何か書いてあるかも』
.
一頁目にはいきなり何かの組織名が書いてあった。
日本語なら"有言実行"を意味していた筈。
さらに頁を捲ると
パパとママの写真が貼ってある。
貴女『ボス、キリル……?
じゃ、じゃあパパは…組織の長だったの?』
ガンガンと頭が痛む。
知りたくないけど、知らなくちゃいけない。
どんどん頁を進めていく。
パパとママが行ってきた悪行が
これでもかと云う程、書いてあった。
私だってマフィアにいる。
でも、身内が犯罪組織なのは…ショックだ。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時