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ひゃくじゅうよん ページ25

貴女side



作くんと一緒に走り狙撃手を追う。

貴女『作くん!先に!』

織田「ッ済まん!」



脚のリーチが違い過ぎる。

そう判断して私は作くんの後を追う事にした。



作くんが治くんに電話を掛ける間

私はもう一度、狙撃手を思い出す。



狙撃手は二人組の行動が多い。

あの時は一人しか見えなかったけど…



貴女『ッ…』



走りながらの考えごとは辛い。

酸素が頭に回らない。



それよりも…このままじゃ作くんに離されて

狙撃手の確認も出来ないかもしれない。



貴女『試す価値はある、か』




私は思い切り息を吸って意識を集中させる。




貴女『異能力…【雪国・空間移動(テレポート)】』




ゴオッという低く大きな音がして

辺り一面に雪が降り始める。




空間移動は雪と雪を繋いで

其処を私が移動していくという方法。


自分も一瞬だけ雪に変化する為かなりキツい。

更に雪が無いと使えないし夏は暑すぎて使えない。



貴女『作くん、先に予想経路に回るね』

織田「!?判ったッ」



恐らく作くんには

雪が舞う轟音の合間に私の声が聞こえた程度だろう。



ヒュウヒュウと少し早い雪を降らせながら

狭くて暗い路地裏に辿り着く。

直ぐに異能は解かず建物の屋上に降り立つ。



貴女『ハァ…ハァ…この辺りに居るかな……』



そっと下を覗き込めば

建物の隙間に一人いるのを見つける。



……あの人は作くんに任せられるかな。

片手に持つナイフを見てそう考える。



後はもう一人、予想が当たれば居る筈。

貴女『ッ…何処に……』



思わずそう呟いた時、微かな足音が聞こえた。

バッと其方に視線を移すと走ってきた作くん。



私は雨樋(あまどい)を掴んで

路地に踏み込んだ作くんの背後に降り立つ。



作くんはナイフを持つ男に掴まれ

転がるようにして相手を引き剥がしていた。



襲撃者は灰色の襤褸(ぼろ)をまとった

国籍不明の男だった。



あのナイフの構え方は…

近接攻撃に備えた戦闘の心得がある者、か。


ナイフを逆手に構え、両肘を上げる。

さらには右手は顔を庇っている。

……一般人じゃ思い付かない。

.







やがて作くんは銃を抜き

男の爪先の目の前に撃ち込んだ。


それでも男は足を踏み出す。

作くんが威嚇で空に銃を撃つ。


男は全く動じず腕を伸ばした。




貴女『狙いは金庫…?』




そう呟いた時、私はさらに背後、

建物の隙間から出てくる男に気が付いた。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時

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