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ひゃくじゅう ページ18

貴女side



鷗外「残って貰って済まないね」

貴女『いいえ』



リンタロウ医師は再び腕を組み

執務机に寄りかかった。



鷗外「君に残って貰った理由は二つある。
先ずは織田君との関係が気になったという
私の好奇心と、長としての好奇心だ」



好奇心ならば仕方ない。

……が、"長としての好奇心"?



それは…今回の件で

私と作くんが恋仲だと都合が悪いのだろうか。



貴女『……作くんとは、仲良くしています』

鷗外「そうかね?……まぁ善い。では二つ目だ」



リンタロウ医師は

一瞬だけ何かを探るような目をした。


それでも直ぐに何時も通りの

"首領として"の顔に戻る。



鷗外「A君には織田君のサポートとは別に
もう一つの任務を頼みたい」

貴女『…何でしょう』



別任務……

忘れてはいけないが私は幹部補佐だ。

補佐が任務を依頼されるなど有るのか。



鷗外「A君は別ルートから
今回の件を調べて貰いたい」

貴女『別ルート?』



思わず首を傾げ繰り返す。



貴女『その前に二つ質問しても?』

鷗外「何かね?」



一先ず許可を得て質問をする。



貴女『先ず第一に私は幹部補佐です。
何方か幹部の補佐としてこの件を調べるのではなく
私個人として調べると云う事ですか?』

鷗外「そう云う事だ」

貴女『判りました。では次に
私と織田作之助を組ませる理由をお伺いしても?』



小さく首を傾げながら尋ねれば

リンタロウ医師は何故か満足そうに微笑した。



鷗外「君達は仲が善いと太宰君に聞いてね。
時々 黒服達にも報告して貰ったのだけど
織田君の仕事を手伝う際は息ピッタリだとか」

貴女『…成程。それで今回も共同で、と』




それでさっきリンタロウ医師は

私に作くんとどんな関係かと聞いたのか。




鷗外「そうなるね。では…本題に入っても?」

貴女『はい』



本題…別ルートについてかな。



鷗外「別ルートと云うのは簡潔に云うと
組織(マフィア)の利益になる行動をして欲しい」

貴女『…』

鷗外「何を犠牲にしても構わない。
裏を返せば──────」

貴女『マフィアに損になる行動は慎め、と』

鷗外「そう云う事だ」



ニッコリと笑ったリンタロウ医師は

何処か冷たい気配をまとっていた。



鷗外「君なら何が有益で何が不利益かよく判る筈だ」

貴女『……判りました』





.









利益の為なら………

人をも殺せと云うのだろうか。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時

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