ひゃくろく ページ14
貴女side
皆で写真を撮った次の日、
今日もリンタロウ医師に呼び出されていた。
貴女『赦すまじ森鷗外…』←
早朝だけど仕方ないから
身支度を整えて昨日と同じ道を歩く。
芥川「Aさん、」
貴女『あ、龍之介くんだぁ〜おはよ〜』
芥川龍之介。
彼は確か二年前くらいに治くんに拾われた子。
…?拾うって云うか…
芥川「おはようございます。……仕事ですか?」
貴女『んー…首領に呼び出しくらった!』←
芥川「!?」
貴女『まぁ大丈夫だよ!あ、そうだ今度また
何か差し入れ持ってくね!銀ちゃんと食べて!』
芥川「あ、は、はい!有難う御座います」
ペコ、と頭を下げる龍之介くん。
少し動きがぎこちないのは
治くんに過酷な訓練でもさせられているんだろう。
……加減するように云っても無駄かな。
軽く手を振って龍之介くんと別れる。
貴女『さて、今日は何のお話かなぁ』
昇降機の釦を連打して鬱憤を晴らす。
通りがかりの黒服さんが引いてた。
やがて、音もなく降りてきた昇降機は
私が乗り込むとまた、音もなく上がっていった。
昨日と変わらない景色を眺めて
昨日と変わらないカーペットの上を歩く。
フレンチ・ドアの前に立つ黒服さんには
今日はちゃんと挨拶しました。←
貴女『首領。川端Aです』
鷗外「あぁ…エリs『帰りますね』入り給え」←
昨日と同じくだりにさせてたまるか!!←
一応 失礼します、と云って執務室に入る。
鷗外「おはようA君」
貴女『オハヨウゴザイマス』
鷗外「…ゴホン、A君の方が早かったね」
貴女『他に誰か来るんですか?』
鷗外「まぁ後に判るよ」
掛け給え、と云われて
置かれていたフカフカの椅子に座る。
座った瞬間、エリスちゃんが走って来たが。
エリス「A!」
貴女『おはようエリスちゃん!
今日はまだ寝間着のままなんだね?』
エリス「リンタロウがまだ着替えるなって…」
鷗外「ご、誤解だよ!
新しいスカァトを買ったから着て欲しくて…」
ほら、とリンタロウ医師はスカァトを出す。
何処にしまってあった……??
貴女『だってさ、エリスちゃん』
エリス「いやよ、着たくない!」
鷗外「えぇ!?ちょっとで善いから!ね!?」
エリス「い・や!」
リンタロウ医師とエリスちゃんが口論をする。
私は真顔で眺めていた。
その時、入口の向こうで微かな話し声がした。
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時