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no side


中島「終わりだ」


中島敦の虎化した爪が

泉鏡花の喉元に向けられる。


鏡花「……」

中島「この能力を止めて爆弾の場所を教えろ」



そう云った中島に鏡花は淡々と話す。



鏡花「私の名は鏡花。35人殺 した。
一番最後に殺 したのは三人家族。
父親と母親と男の子。夜叉が首を掻き切った」



そこまで云うと鏡花は襟を引く。



中島「……何てことだ」



そこには爆弾が括り付けられていた。



中島「君は………何者なんだ。
言葉からも君自身からも何の感情も感じない。
まるで殺 人機械だ」



焦ったように中島は云う。



中島「言葉にしてくれ、
望みがあるなら言葉にしなきゃ駄目だ!
こんな事が本当に君のしたいことなのか?」



そこまで云ったところで

車内アナウンスがかかり与謝野の声が響く。



中島「君が……持ってるのか?」



渡して、と云う中島をじっと見つめる鏡花。

それから鏡花は停止釦を中島に手渡す。



そして中島がその釦を押した瞬間、

警告音らしき音が鳴り響く。



«解除など不要。乗客を道連れにし
マフィアへの畏怖を俗衆に示せ»



男の声が携帯電話から流れる。



中島「爆弾を外せ!」

鏡花「間に合わない」



中島は気付いていなかった。



鏡花の異能は

何時も携帯電話からの声に従っていたこと。

一度も鏡花の為に動いていないこと。



鏡花は自分の異能力を自分で操れないことを。



鏡花「私は鏡花。35人殺 した」



夜叉が切った扉の前に鏡花は立つ。



鏡花「もうこれ以上一人だって殺 したくない。
──────A、ごめんなさい」



最後にポツリと謝罪を述べた後

鏡花は床を蹴って電車の外へと身を投げ出した。



数秒ほど止まった中島は

再び脚を虎化させて鏡花の後を追った。



中島「ッ……!」



伸ばした手は

爆弾へ後ほんの僅かのところにある。

中島の表情が焦りで歪む。



.









爆弾のタイマーがゼロになった。



.









刹那、中島の真横を何かが通り抜けた。

と→←ほ



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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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