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貴方『おや、仕事帰りですか?』

広津「えぇまあ…だが…
この後は"探偵社襲撃"の命を受けているがね」

貴方『成程、だから銀さんも居たのですね』



ニコニコと話す室生。

煙草を咥える広津柳浪の表情は固い。



貴方『では自分も仕事があるので失礼します』

広津「嗚呼……」



斜め四十五度の礼をした室生は去る。

行き先は近くの路地裏。



其処へ足を踏み入れた瞬間、

室生の頬スレスレに弾丸が通る。



貴方『……こんにちは』

男1「何だてめぇ!」

銃を構える男に室生は無表情で挨拶をする。



貴方『私は雇われの身ではありますが
皆さんのお話を聞くよう命を受けております』

男2「ならポートマフィアか?」

男3「ハッ…一人で来るたぁいい度胸じゃねぇか」



ナイフや鉄パイプをチラつかせ

露骨に室生を脅す男達。



貴方『…残念ながらタヒんでも善い命ですので。
さて、お話を伺わせて頂いても?』

男1「じゃあ冥土の土産に聞かせてやる!
俺達の稼いだ金を此奴等が奪ったんだよ!」

男3「はァ!?俺達が奪った証拠なんてねぇよ!」

男1「お前等の下っ端が持ってんの見たんだよ!」



同じことを云い合う男達。

挙句には暴力沙汰になる始末。


その時ふと室生が口を開いた。



貴方『ギャーギャーと五月蝿いですね。
ならばその金は一体何処にあるんです』

男1「それは……」

男3「俺達は知らねぇぞ!」



最初の男は目線を逸らす。

その他の男達は判らぬという顔をした。



貴方『……元はと云えばその金は
ポートマフィアより横流しされた金……
つまりそれを奪い合う貴方方は────』

室生は言葉を切る。



貴方『マフィアへの反逆行為、ですね?』

男達「「ッ!!」」

貴方『さぁどうします?
ちなみに私を殺 せば情報は流れませんよ』



ニッコリと笑って室生は自分を指さす。



男1「ッ…判ってて来たのかよ」

男3「いい性格してるぜアンタ…」



男達がそれぞれ武器を持つ。

それを向ける先は勿論、室生。



貴方『無益な殺生は好みませんが……
私の命が脅かされるとなれば別問題。
足掻かせて貰いますよ』



室生はそう云うと刀に手をかける。

親指で鍔を軽く押し上げた。



──────





貴方『……ご安心下さい。峰打ちです』


倒れる男達の中で室生は笑う。


最初の男から金の在処を聞き出した上で

全ての男達から意識だけを奪ったのだ。

ほ→←は



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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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