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貴方side



羽織を掛け椅子に座る。



ほう、と息を吐いたところで携帯電話が鳴り

芥川君からの連絡だと知る。



貴方『はい、室生です』

芥川«…芥川ですが»

貴方『どうかなさいましたか?』



携帯電話を持つ手とは反対の手を眺めて云う。

夜遅くまで芥川君もお疲れ様ですね。



芥川«明日の件ですが……
本当によろしかったのでしょうか»

貴方『よろしい、とは?』

芥川«その…泉鏡花の……»



嗚呼、成程。

お嬢様を単独…否、梶井君と組ませて

電車の襲撃をする件についてですね。



貴方『私はお嬢様を護るのが役目です。
然しながら甘やかすのは善くはありませんね。
……何かあれば飛んで行きますが』

芥川«…判りました。有難う、御座います»



お休みなさい、と云い電話を切る。



その携帯電話を眺めたあと

先日お会いした"中島敦"について思い出す。



芥川君と樋口さんが

探偵社の方々を袋小路で追い詰めた際……


彼、中島敦君の人柄を見た。

恐らく彼ならお嬢様を救えるだろう、と。

そうとも思った。



太宰「Aさん…元気?」

貴方『えぇ勿論』

太宰「またゆっくり話したいね」

貴方『愉しみにしています』



太宰君とはそう話した。

それだけで四年前を思い出す。



作之助……ごめんな。

()が、力不足なばっかりに。







.









お前を……救うことが出来なかった。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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