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月が眩しい夜道を二つの人影が歩く。

一つは長身でもう一つは低かった。


静かに夜道を進み

時折、背の低い方が話しかけている様だった。



────



鏡花「明日は、私だけの任務だって」

貴方『存じております…』

鏡花「Aは、何か仕事あるの?」

貴方『(わたくし)は近くの小競り合いを鎮圧せよ、と』



少女…泉鏡花はAと呼んだ男を見上げる。



鏡花「終わったら、豆腐が食べたい」

貴方『勿論です お嬢様。支度をしてお待ちします』

鏡花「……"お嬢様"は厭」



鏡花は拗ねたように呟く。



貴方『然し……これが癖になっておりまして…』

男が申し訳なさそうに眉を下げる。



鏡花「…偶には、名前で呼んで」

貴方『善処します』



頷く男に鏡花は満足そうに男の袖を引く。



鏡花「ちゃんと寝て、ね」

貴方『…!はい』



男は優しく微笑む。



貴方『お嬢様もごゆっくりお休み下さい』

鏡花「…判った。お休み、A」

貴方『お休みなさい』



男は深く頭を下げる。

鏡花は小さく頷くとポートマフィアの建物に入る。



それを見届けた男は

踵を返してゆっくりと暗闇に溶けていく。



────



鏡花「……」

芥川「……」



二人の間に沈黙が流れる。



芥川「一人なのか」

鏡花「さっき迄 一緒に居た」

芥川「…彼は何処に?」

鏡花「家」

芥川「そうか」



黒外套の男…芥川龍之介は

鏡花にそれだけ尋ねると踵を返す。



鏡花「……」

芥川「明日はしくじるなよ」

鏡花「……はい」



カツカツと靴を鳴らして歩く芥川は

携帯電話を取り出し誰かに掛ける。



鏡花はそれをぼうっと見た後

自分の部屋へと歩き始めた。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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