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no side
「……でもAの髪伸びてるし、顔も変わってるし
そんなに似てないんじゃないの。」
「２人とも猫目(？)だし背も近いし平気じゃね。」
『適当すぎて草。』
「大体なんで部活で双子のフリするの。
それして何のメリットがあるの。」
孤爪の言い分はもっともである。
「面白そうだから。」
「『最低。』」
「ぶはっ……ソックリ！！」
声の揃った２人を笑う黒尾。
「新入生を部活終了まで騙せたらアップルパイ奢る。」
「……３日分なら良いよ。」
『……私シェイクがいい。』
「……分かった。
３日分のアップルパイと３日分のシェイクな。」
チラリと目線を合わせる孤爪とA。
やってやんぞ、という気合いが籠っていた。
『苗字どうする？』
「A確か持ち物に苗字書いてないよね。」
『うん。』
「不良かよ。」
『"水瀬"って難しいんだよ。マジックだと。滲む。』
「じゃあAが孤爪ね。」
『はいよ。』
「声は似せる？」
『無理くね？？』
孤爪の要求に首を傾げるA。
ここは黒尾が助言。
「研磨の声はそこまで低くないし大丈夫だろ。
Aがコミュ障の時の声でいける。」
『……楽しみやがって。』
「お、今のイイじゃん。似てる似てる。」
「……おれこんな声？」
ジト目の孤爪とA。
黒尾はケラケラ笑いながら２人の肩を叩く。
「ユーモアって必要だろ？頼んだぜ２人とも。」
「『……分かった。』」
昼休み終了のチャイムが鳴り
黒尾は３年の教室へ戻っていく。
『……ごめんね研磨。』
「いいよ。……Aとの双子、結構面白いし。」
『研磨……！！』
ぱぁ、と顔を輝かせるAに孤爪も微笑む。
「……体験入学の時みたいだね。」
『懐かしいねぇ……』
「"やるならクロを嫉妬させるくらい"、ね。」
『ふふ、"いっちょやってやりますか"、だね。』
２人は軽く拳を合わせると頷いた。
.
部活動開始まであと２時間──────
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年3月25日 22時
