幼馴染は凄い【ハイキュー!!】【音駒】 (ページ19)

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no side

「──────俺達は血液だ。」

コート上で拳を突き合わせる７人。

黒尾がそう話し始める。

「滞り無く流れろ。酸素を回せ。
"脳"が正常に働くために。…………行くぞ。」

「「あス！！」」

掛け声が終わったところで

孤爪がフラリと黒尾に近寄る。

「クロ…今のやめない…？なんか恥ずかしい…」

「なんで！いいじゃねーか！雰囲気雰囲気！」

「自分らへの暗示みたいなモンだ。」

山本と海が笑いながら言う。

黒尾もニヤリも笑う。

「──────ということだ。」

「……」

「オラ行くぞ。」

何か話していた日向と孤爪だったが、

試合開始のホイッスルが鳴り

ボールを持った孤爪がエンドラインに立つ。

スッと振りかぶり

ボールは角ギリギリへ飛んでいく。

『ナイッサー！』

烏野コートでは旭がレシーブを受ける。

少し短かったがすぐさま影山がカバーに入る。

そして日向が走り込み例の変人速攻を決める。

「「！！？」」

『うへぇ……』

ドパッと気持ちのいい音がして

ボールは音駒コートに叩き付けられる。

「すげえっ速えっ何！？」

「あんなトコから速攻…！？」

「なんだあありゃあ！？」

皆が速攻に驚くなか

孤爪だけは黙ってじっと見つめていた。

「田中ナイッサー」

「行ぐぞラァ！！」

烏野サーブで田中のボールを福永招平が受ける。

優しくフワリと上がったボールは

セッターである孤爪の元に綺麗にかえる。

「ダッシャイ！！！」

孤爪もまた、綺麗にボールを上げる。

山本が勢いよくボールを叩き込んだ。

ブロックを抜けたボールを西谷が受け

再び影山がボールを上げる。

「！！ア"ッ！？」

走り込んだ日向ではなく

反対側にいた東峰旭が決める。

「ハハハ…スゲーな…
今のは拾えなくてもしょうがねぇ……」

猫又も苦笑いで話す。

「リベロもスパイカーも良いのが居るな烏野！
でも一番とんでもねえのは……セッターかな？」

『……』

Aの孤爪さながらの鋭い視線は

コートのスペース、動き回る日向、影山の視線を

何一つ見過ごすまいと観察していた。

.

「月島！！」

ちょんっ、と指先で触れただけのボールは

音駒コートへ簡単に落ちる。

孤爪の視線は揺らがない。