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no side
──────５月３日・昼
『えっ、研磨が迷子！？』
「そう。」
『どうして……？？』
「……研磨だからな。探し行くぞ。」
『押忍。』
槻木澤高校との練習試合当日、
孤爪研磨が迷子になる。
Aは黒尾と共に捜索へ出かけた。
「んじゃ俺こっちから見てくる。」
『わかった。』
タタッと駆け出した２人。
土地勘のあるAは行動に迷いが無い。
『ったくもー……見張り強化しないとなぁ。』
携帯電話を取り出したAは孤爪へ電話をかける。
先程はゲームでもしてるのか出なかったのだ。
«……もしもし。»
『あっ、やっと出た！今どこ？迎えに行く。』
«えーっと……わかんない。»
『えっ……じゃ、じゃあ目印は？何か目立つもの。』
Aは何も無いけど、と小声で呟きながら
辺りを見回す。
«…石垣、緑のフェンス、木、家、電柱。»
『……何も無いんだね。
とにかく！そこから動いちゃダメだよ！』
Aの脳内では周辺の地図が展開され
石垣と緑のフェンスがある場所を探す。
それから黒尾に電話を繋ぎ直す。
『テツ！』
«研磨みつかった？»
『石垣と緑のフェンスがある所だって。』
«わかんねぇよ。»
『多分だけど大きい坂登って曲がった所。』
«ほーん……坂ってこれじゃね？
何か結構急な坂あるけど。»
『多分それ。ちょっと待っててそこ行く。』
«おう。»
Aは電話を切ると、駆け出した。
少しすると黒尾が立っているのを見つける。
「お疲れ〜」
『押忍！研磨は多分こっち。行こう！』
「さっきから気になってたけど"押忍"って何？？」←
Aの先導で歩き始める。
黒尾は笑いながらも後に続く。
『そういう気分なんです〜。
あ、この辺 緑のフェンス多いから近いかも。』
「ホントだ……ってあそこにいるの……」
『！』
Aと黒尾の視線の先には孤爪と何やらもう１人。
「研磨！」
話しているようだったが黒尾は普通に声をかける。
「あっ。クロとAだ。」
「あ、」
「じゃあ──────
手を振って黒尾達に歩み寄る孤爪。
『研磨、フラフラしちゃ駄目だって。』
「ごめん。」
「Aに土地勘あって良かったな。」
「うん。」
黒尾とAに挟まれて研磨が歩き始める。
行き先は槻木澤高校 第一体育館だ。
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年3月25日 22時
