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no side
『なんて言えば良いのかな……
幸村ってこう……凄く強いでしょ？
あ、テニスの腕前も勿論なんだけど
それだけじゃなくてさ……』
あわあわと話すAに
幸村は優しく頷いて続きを聞く。
『その……一度、入院しちゃったでしょ？
私が言うなんて失礼すぎるんだけどさ、
その……物凄く辛かったと思うんだ。
幸村テニス好きだし、出来ないって辛いでしょ。
治る確率は低いって言われてたのに
絶対に諦めなくて、負けなくて……
当然の事かもしれないけど凄いな、って思った。
私はまたテニスしてる間に
誰かを失うのが怖くて辞めちゃったからさ。
あと……私をマネージャーに勧誘したのも凄い。』
「え、」
さすがの幸村も驚いた様に目を瞬かせる。
『だ、だって私ほぼ不良だったでしょ！？
ろくに授業も出てなかったし、孤立してたし……
なのに幸村は私に声をかけてさ、
逃げても逃げても毎日話しかけてくるんだもん。
ちょっと怖かった。←
で、最終的には
「喧嘩はしちゃダメ。約束。」って言うんだから。
何でそんなに仲良くしようとするんだよ、って。
そう聞いても幸村ってば笑うだけでさ。
でも気付いたら一緒になって笑ってた。
笑顔とか、楽しい、とか
テニスと一緒に忘れちゃってたハズなのに。
だから、幸村は凄いな、って。
幸村の笑顔を見るとそう思うんだよね。』
うわぁ恥ずかしい、と顔を覆うAに
幸村は少し頬を染めて優しく微笑んだ。
「Aは俺と初めて会った時、覚えてる？」
『え？えーっと……私が屋上でサボってた時？』
「違う。」
『えっ、ウソ！違うの！？』
うーん、と首を捻るAに
幸村がヒント、と人差し指を立てる。
「中庭。」
『中庭……？』
分からない、と言うように首を振るA。
幸村は苦笑いして口を開く。
「昼休みにAが中庭で昼寝してた時だよ。
ほら、中庭のあの大きな広葉樹の根元で。」
『昼寝……あ、もしかしてあの時の男子生徒！』
「そうそう。俺が花壇の花に水やりに来たら
傷だらけの女の子が寝てるんだもん。驚いたよ。」
『あの時は私も驚いたよ……
いつの間に居たんだろ、って。』
あはは、と困った様に笑うA。
幸村もつられて笑う。
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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます！気まぐれ更新ですが頑張りますねー！ (2020年3月9日 14時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い！続き待ってます！ (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2017年6月13日 23時
