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「ア……アウト!ゲーム!」




「な……ほ、ホームランじゃない。」

『力加減、難しいね。』





Aははあ、と息を吐くとボールを持って

ベースラインに向かう。





「蓮二、今の見た?あのフォーム……」


「ああ……鈴木と同じフォームだったな。
……真似ているのか?」


「惜しかったよぃ……」





柳はノートにペンを走らせる。

その間にも試合は進んでいく。





「水谷先輩サービス トゥープレイ!」





パン、と軽い音がして

ボールは鈴木側のサービスコートに入る。





「ふふ、こんなので勝つつもりだったのね。」


『うん。』





リターンを返した鈴木。

Aは軽く構えてボールを見る。





『あれ、』





振り抜いたラケットを空を切る。

ボールはコロコロと転がっていく。





「ふはっ……あはは!」

「おい水谷ぃー!当てろよー!」

「ナイス空振り!」





『ちぇっ。』





.


Aはそのままポイントを取ることはなく

あっという間に6ゲーム目になった。





「残念だったわね、水谷さん。」


『そだね。』





やっとボールが拾えるようになったAは

鈴木とラリーの応酬をしていた。





「ッ……!(何で……!?横を抜けない……!)」


『残念、残念。』


「チッ!(ボールが全部あの子の所に……!)」


『ところで……まだゲーム終わらせないの?』


「なっ……!?」





焦る鈴木を見透かしたようにAは笑う。

汗1つかいていなかった。





そんな中、ギャラリーからポツポツと声が上がる。





「お、おい……水谷、動いてなくね?」


「確かに……」


「涼しい顔してボール取ってると思ったら……」





Aはニヤリと笑ってボールを返す。





「あれって……青学の手塚と同じ!」


「手塚ゾーン!」





やっと気付いた幸村達。

Aはボールの回転を操っていた。





「何で……抜けないのよ!!」


『私ィ下手だからァ?
ボールに変な回転かかってるのかもォ??』


「ッ……!?」





ボールは全てAの元に戻る。

鈴木が抜けるはず無かった。





『……ま、1セット目はこんな感じで。』


「あっ、」





Aは大きく腕を振る。

ボールは弧を描きコートの外に落ちた。





「ア、アウト……ゲームカウント6−0。」





審判のコールを聞いて

Aはスタスタとコートから出た。

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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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