第二十一話 ページ23
｢A｣
再び距離が近付く。
今度は腰に手が添えられ、身体はぴったりとついていた。
これには流石のAも焦る。
身を捩り脱出を試みるが、彼は見た目よりも力があるらしい。ビクともしなかった。
｢ねえ、A。僕はあまり他人に興味を持たない方なんだ。…持たないようにしてるといった方が正しいかな？｣
はっきりしない言い方に、Aは顔を顰める。
｢…ハッキリ言ってください｣
何が言いたいのだろう。
まさか異国の者である自分に興味が湧いたとでもいうのだろうか。
それだけは勘弁して欲しい。
あの日のような妖艶な微笑をたたえるこの男は、見るからにとてつもなく面倒くさそうだ。
｢うん、やっぱり良いね。僕は…｣
Aの大きな目に自分が映っていることを確認し、笑みが深まる。
ジョゼフはAの耳元で何かを囁いた。
｢なっ…！｣
Aは目を見開き、みるみるうちに顔が真っ赤に染まっていく。
からかうような、楽しげな笑い声が聞こえるなか、へなへなとその場に座り込んだ。
｢さ、僕の話は終わり。君はゲームに行ってくるといい｣
それどころではないのを知っていながら、態々扉を開けて手を差し伸べる。
しかしいつまでたってもその手を取らないAに、ジョゼフはしゃがみこんで白々しく顔を覗き込んだ。
｢どうしたんだい？行かなくていいのかい？｣
｢…行きます、けど｣
＿腰が抜けて立てません、なんて。
こちらからからかわれに行っているようなものだ。言える訳が無い。
ジョゼフは分かっているのかいないのか、…まず間違いなく前者だろうが、彼女の髪を一束掬い上げて口付けを落とす。
｢なっ、ちょ、いい加減に…！｣
力が入ったからか、身体の自由が徐々に戻ってくる。これなら何とか立てそうだ。
不本意ながらも、差し出された手を取る。
感情が顔に出ていたのだろう。
ジョゼフは少し笑って、それから彼女の頭をそっと撫でた。
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ゆう - おジョゼかっこいい！ (2021年3月21日 21時) (
レス) id: fdf829f708 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - 要さん» そうだったんですね...汗 素敵なお話なので是非残してください！ (2019年2月16日 22時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - シマエナガさん» ありがとうございます！そうなんです、書いた後にそれを知って泣 消すのも勿体なかったのでそのままでいかせて貰いました、、、！ (2019年2月16日 2時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - いつも陰ながら応援しています...！ジョセフさんかっこよくて素敵です泣 これからも楽しみにしてます！ それと余談ですが、バレンタインに女性からチョコを渡すと言うのは日本だけらしいです...(でも可愛いお話で好きです...！) (2019年2月15日 23時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - ナ子さん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります〜！ (2019年2月14日 7時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要 | 作成日時：2019年2月11日 4時
