第10話｢トモダチ｣ ページ14
〜カイレンside〜
全員が、十円玉に指を置く
入｢動きましたよ！すっげー！！｣
忍｢ど、どういう原理なんだこれは...｣
駆｢オイ誰だ力入れてんの｣
｢静かに。こっくりさんが願いを言うから...｣
[ミ][ス][濁点]
忍｢水...？水ならさっき廊下に水道が...｣
｢駄目でェ！｣ 忍｢！？｣
忍霧君が指を離してしまいそうになったので、腕をつかんで引き留める。...なんで忍霧君、顔赤くしてんでェ...？...まさか、俺が女だって気付いて...、いや、そんな訳ねェよな？
｢正しい順序で終わらせねェと、こっくりさんが帰ってくれずに、取り憑かれるんでェ。｣
忍｢そ、そうなのか、わかった！だから手を話してくれ...。｣
若干赤いような顔で慌てながら手を離すように言う忍霧君。...やっぱり気付いてるな？
入｢...あ。そこの花瓶どうですか？｣
入出君が指差した花瓶を取って、水をビチャビチャと音をたてながらかける。
[はい]
｢...あってたみたいだな。｣
忍｢思ったより簡単なんだな。｣
駆｢...また動くぞ｣
[ト][モ][ダ][チ]
入｢...友達、いないんですかね？｣
｢いや多分そういう事じゃねェと思う｣
忍｢友人は作るものではない、できるものだ。｣
駆｢何語ってんだこいつ。｣
睨み合う駆堂君と忍霧君を、入出君が止めに行く。...その間に、本来なら入出君がとる筈の行動を、俺は取った。
｢なら、俺が友達になってやるよ。俺ァ鬼ヶ崎カイレンだ。｣
入｢！｣
忍｢な、貴様何を...｣
[はい]
｢いいみたいだなァ｣
駆｢ば、おめー、アホか！？｣
入｢...次で最後みたいです。｣
[カ][イ][レ][ン]
入｢どうしましょう、これ(ﾄﾞｻｯ)...え？｣
入出君が、ほんの少しだけ焦った様な声で言うのと同時に、体が引っ張られるように俺は床に座り込んでしまった。指を、離してしまった。
駆｢おめー、何、手ぇ離して...｣
｢い、や...なんかに、引っ張られて...！｣
ズルリ、と体を引っ張られるて後ろにさがっていく。...後ろの、窓際の方に。
忍｢おい、何をふざけて...｣
｢う、お...っ｣
引っ張られて引っ張られて、ベランダのフチに、腰をかける。
駆｢！あいつ変だぞ！！｣
バッ、と勢いよく駆堂君がこちらに走って手を伸ばしてくる。俺も、そちらに手を伸ばすが、その手は掴めず、俺は後ろに真っ逆さまに落ちていく。駆堂君の後からこちらに走ってくる入出君たちの後ろに、何かがいるのを確認して。
｢...ろ、｣
入｢カイレンさん！｣
｢後ろに、何か...｣
何かが、いる。
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作者名：ももや | 作成日時：2019年7月28日 15時
