夢の中の君は。 (ページ1)

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夢を見た

また同じ夢

15年前。地元で出会った男の子と過ごす
たった1週間、だけど永遠だと思っていた1週間

＂名前、なんていうの？＂

＂カイト！夏休みでおじいちゃんの家に来てるんだ＂

＂君は？＂

＂A！＂

いつも遊ぶ公園で初めて出会ったカイトくん

ひとつ年上で、1週間だけここで過ごすと言っていた

初めて言葉を交わした場面からすぐに場面が変わる

これもいつもの夢の流れ

視界一面に広がる向日葵の黄色い絨毯

＂いーち、にー、さーん…＂

＂Aちゃんしっかり数えてね！＂

1週間、毎日遊んでくれたカイトくんと最後の日

公園のすぐ近くの向日葵畑でのかくれんぼ

＂カイトくん、どこだー？＂

小さく丸まっているのか、全然見つからなくて。

だんだん不安になってきたのを覚えている

＂…カイトくん？どこ？＂

声が涙ぐんできたその時、

＂ここ！見つけて！＂

ガサガサとする音の方を振り向けば、

綺麗に咲いている向日葵の中に
不揃いに揃った向日葵たちがゆらゆらと揺れている

抜いていいと言われたのか、小さかったから
勝手に抜いちゃったのか分からないけれど
あれは、小さな向日葵のブーケだ

＂おれはここだよ！＂

ブーケからひょっこり顔を出すカイトくん。

だけど

夏の照りつける太陽で逆光になっていて

いつもその顔を見ることはできない

そしてまた場面が変わってお別れの日。

泣きながらかくれんぼの時のブーケを握りしめた私の
頭にぽんと手を置きながらカイトくんはこう言った

＂Aちゃん＂

＂絶対にまた会おうね、大好き！＂

ずっと俯きながら感じる暖かな手の感触

こくんと頷き顔をあげようとしたその時、

「……またここで終わり」

現実の世界へと私を連れ戻す