夢の中の君は。【3】 (ページ16)

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「でも、
自分の気持ちに素直にならなきゃって思って、」

俯いたままぎゅっとブラウスの裾を握りしめると、

私の手を包んでいた手が離れ、頭に置かれる

「そんなに握ったら、くしゃくしゃになっちゃうよ」

あの日と同じ

1週間毎日遊んだ海斗くんとお別れする日に

駄々をこねてワンピースを握りしめていた私に

海斗くんがかけた言葉と同じ言葉を宮近さんが発し

やっぱりあの時と同じように、

スイッチが切れたかのように涙が溢れる

「私も忘れられなくて、ずっと会いたかった
大好き、なんです。1年前、思い出にしようと
思ったけどできなかった。好、」

俯いたままの頭の後ろに手を回され、
強く引き寄せられたかと思うと強く抱きしめられる

「そういうことは、ちゃんと顔見て言って？」

「宮近さん、」

「ほら、俺のことどう思ってるの」

「あ、え、っと…」

「好き、大好き、です」

「…遅いよ、ほんとに」

そう言って重なった唇にまた涙が溢れる

1年間、いやもっと

長い間の想いがこめたように何度も何度も重なる
キスに思わず息が上がる

「Aちゃん」

「大好きだよ」

そう言って笑うあなたは

夢の中と同じあの時と変わらない笑顔だった