秘密やで。【snr】

32話 全てお見通し ページ34

退勤退勤〜退勤の後のセンラさんは1日の中で1番幸せな時間。2人で決めた待ち合わせ場所に顔を出すと携帯をいじっているイケメンを発見。
その時の私は何故か彼を驚かせられる自信があり、横からゆっく〜り…ゆっく〜りとピンヒールの音を立てないように近づいて勢いよくセンラさんの肩を……


「……わっ」
「んふふ、お疲れ様」


思ってた反応と違っていて優しく微笑んで下さったのにポカン顔で返してしまった私。


「気づいてました？」
「逆に笑うの我慢するので大変やったわ」


バレッバレだったようであまりにも恥ずかしすぎる。どこまでもお見通しなセンラさん。あんな忍び足でセンラさんを驚かすことにめちゃめちゃ楽しんでいたというのに全部バレてただなんて。


「センラさんがめちゃめちゃビビるのを楽しみにしてたのに〜」
「ふふ、まだまだやな……………………わっ」
「ぅわぁ！！」
「え？」


煽りモードに入っているセンラさんに私は頬を膨らませた。そんなことより私のドデカい声に周りの人が次々の私達の方を振り向かれるのが恥ずかしくて死にそうなので急いでセンラさんの車の中に入った。


「私は優しいのでわざとびっくりしたんですよ〜あ、そういえば華金飲み会明日ですよね？」
「ふ〜ん？そうそうそうやで〜楽しみやな〜ファーーーー」
「ふふ、ほんとに楽しみな時の声だ」


月に1度、いや2度？くらいで行う金曜の飲み会を華金飲み会と呼んでいる。私たち2人以外に誰も来ないんですけれど。



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自分の家が近づいてきて私は返さないといけないピアスを求めてカバンの中を漁った。先日、センラさんからピアスを失くした話を聞いたんだよね。それで今日返そう〜と思ってたんだけど……。


「すみません、ピアス家に置いてきてしまいました…取りにいきますね」
「全然ええよ〜〜悪いし俺も上まで着いていくわ」
「ありがとうございます､､！ほんとに…センラさんの物じゃなかったら気持ち悪かったので助かりました」
「確かになぁ！！」


2人でエレベーターにのり、たわいもない会話を交わしながら私の部屋の階まで上がった。夜の静かなエレベーターという個室に2人きりなのもなんだかドキドキしてしまう。


「探してくるので、少し玄関で待っていて下さい〜！」


すぐ出てくるわけじゃないし外で待たせるのは悪いので、家の中に入ってもらった。センラさんがこの家に入ってくるのは2回目。

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