秘密やで。【snr】

19話 釣られました ページ21

せっかくの休日なので久しぶりに買い物に出かけた。そして久しぶりに自分の足で家に帰っている気がする。家に帰る道のりがもう少し長ければ、もっとセンラさんとも一緒にいられるのに。と思うけど、歩いてみると遠いもんだ。


新しいお店やずっと変わらないお店など…こういうの最近あまり見てなかったなぁ。たまにはお散歩とかもいいかもしれないな〜。こっち通ったことないなぁ〜。と横道をふと見ると、なんという偶然だろうか。


「あ、セン………」


手を振ろうと思って腕をあげた所で、センラさんの周りに3人ほど男性が一緒にいるのが分かった。振ろうとした手をグッと止めた。そしてセンラさんも私に気づいて腕を上げたその時だった。



「え、あの子がAちゃん？！」
「へぇ、あれが例のAちゃんか」
「え、めちゃくちゃ美人やん」



恐らく、坂田さんうらたさん志麻さん。3人が小走りに私に向かって駆け寄ってきた後ろをセンラさんが申し訳なさそうな顔をしながらやってきた。


「ごめん、メンバーは許してほしい」


きっと私たちの関係だろう、小声でこうセンラさんに耳打ちされたのでニコッと笑って親指を立てた。これだけ沢山一緒にいて下さるのだから、メンバーにバレるのは時間の問題だと思っていたし。

センラさんを輪の外に置いて私に興味津々な3人。浦島坂田船、今日もとても可愛い。


「おいなんやねん、俺も入れろや！」


「初めまして〜と言っても、知ってんだっけな」
「ああ、そうなんでs…」
「いつもせんちゃんがお世話になってます〜」
「いやいやそんな…お世話になってるのは私の方で…」
「今からハウス行くんやけど、一緒にどう？」
「え、そんな…恐れ多いです……」


輪の中に入れて貰えないセンラさんがどんどんどんどん悲しい表情になっていく、かわいい、かわいいぞ！！！！！！


「え、いいじゃんハウス一緒にどう？センラいるよ」
「俺で釣るなAちゃんを…」
「この後何か予定ある？」
「いえ、特に何もないです」
「行こうよ〜！センラおるし」
「別に俺の名前使ってもなんも釣れへんねん」


センラおるし構文でしばらく攻められる私、勝手に名前使われてるセンラさんもおかしくてつい笑ってしまう。



「ん〜Aちゃんがもし良ければハウス一緒に行かへん？……俺おるし？」


センラさんのしゅんとした表情を見ると断る選択肢が無くなった。


「では……お言葉に甘えてご一緒させて頂いてもいいですか？」

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