Zoe (ページ22)

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Yuta side

マーク、ジェヒョン、ジョンウあたりが手持ちのカメラを自撮り棒で持ってビーチまでの道を歩く。俺たちもそれと同じように歩いて、歌を歌ったりお店を見たり。マークなんかはまだあの歌を歌ってる。

その中に、ひとり。日傘を差してマネヒョンたちと歩いているのはまあ言わずもがなAで。日焼け止めが念入りに塗られたであろう白くて長い脚は、確かにここで焼けてしまうのはもったいないと思った。

ドヨンに買ってもらったというビーチサンダルを履いて、日傘を差してマネヒョンたちに囲まれて歩く姿は、どこかの大物女優みたいだ。

自撮り棒のカメラをいじって、足元に向けたA。離れているから詳しくはわからないけど、あの様子だときっとドヨンに買ってもらったことを伝えてるんだと思う。このカメラの映像は、あとで編集されてコンテンツとして載るだろうから。

もう海がすぐそこに見える。俺自身海に来るのが久しぶりすぎて、なんだかワクワクするような。ジョンウもテイリヒョンも走り出して、俺とテヨンもつられるように海に近づいた。

TY「Aは入らないのかな」

YT「多分な」

TY「せっかく来たのに…」

YT「女の子やから焼けたら大変なんやろ」

TY「そうだけど！」

海に足を入れたテヨンが寂しそうに向こうを見つめてそう言った。テヨンの視線の先にはマークとジャニと3人で話すAがいて、どうやらマークとジャニはこっちに向かってきているみたいだった。

入らずに見てる俺らもいるなかでもう全身濡れて怖いものがなくなったヘチャンはマークを連れて海に入っていった。

「しょっぱそう…」

YT「びっくりした。ここまで来て大丈夫なん？」

「うん、マネージャーさんがいいよって言ってくれたよ」

YT「暑いの苦手なのに珍しいな」

「みんな楽しそうだったから」

そう言って笑う姿はやっぱりまだまだ幼い。日本語で話すその声すら幼く感じる。

今日だって、ずっと元気がなかったのは多分みんな分かってたと思う。暑いのが苦手なAはすぐに具合が悪くなってしまうし、日焼けを気にしろと口うるさく言われなきゃいけないし、みんなみたいに遊べないし。そんな気持ちで元気がない、というよりは気にすることが多くて素直に楽しめていないようなようすだった。

今は浜辺に逃げるマークを追いかけるヘチャンを見て、ヘチャンくん脚長いから足速いのかな？なんて真剣な表情で呟いている。