Zoe (ページ13)

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Doyoung side

いよいよBOSSの初ステージ。練習に練習を重ねて、もう聞くのが嫌なくらいの曲をシズニの皆さんの前で披露するんだと思うと楽しみだと、テヨンイヒョンが隣で笑った。

メイクを終えて衣装の最終チェックも終えた僕たちはもう舞台袖。長い練習の間に無事に仲良くなったルーカスとAは、今もべったりくっついている。

LC「かわいい、似合ってる！かわいい！」

「ありがとう、オッパもかっこいいよ」

LC「俺たち、付き合う？！」

「どうしてそうなったの？！」

韓国語がまだ苦手なルーカスだから会話はまだまだちぐはぐなことも多いし、突拍子もないことを言われて照れたり焦ったりするAを見る機会が多いけど。ジェヒョンなんかは隣で真顔でそれを見てるから怖い。

皆と同じ軍隊のようなデザインのタイトなワンピースにブーツを履いたAは、本当に美人で。デビューしてから一度も変えてない黒髪はひとつに束ねられていて、なんだか…CAさんみたい。

JW「…」

舞台袖でリップを塗ってもらったり髪の毛を整えてもらったりしている時、ジョンウが急に泣き出した。ジョンウの目から落ちる涙を、メイクヌナたちがメイクが崩れないように綿棒で拾うけどジョンウの涙は止まりそうにない。

俺が肩を抱えて歩こうとすると、ちょうど舞台へ上がる階段にいたAがこっちを振り返って、驚いたような顔をしながら近づいてきた。

TY「A、！階段急に降りたら転んじゃうでしょ！」

「ジョンウオッパ、」

Aの隣にいたテヨンイヒョンの過保護な声はAの耳には届いていなくて。少し気の強そうな、でも丸みがあってかわいいAの目が、どんどんキラキラしていく。

JW「Aちゃん、僕、」

Aを見て、なにかの糸がぷつんと切れたみたいにぼろぼろ涙を零して泣き出したジョンウ。そんなに泣いたらメイクオンニが大変になっちゃうよって笑うAだけど、そんなAの頬も濡れてる。

ふたりで端に行って、Aがジョンウにこそこそなにかを言ったら、ジョンウはかわいい子犬のような笑顔で笑った。綺麗に上がった唇に、ヌナたちがまた色を足していく。

DY「ジョンウに何言ったの？」

「ひみつ！」

TY「オッパに隠し事するの…？」

「て、テヨンオッパ、その顔はずるいよ〜！」

無事に終えたステージは僕たちのなかで一番だったと思う。Aがあの時ジョンウに何を言ったかは秘密なんだって。妬けちゃうな。

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